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2020年1月28日 (火)

『侏儒の言葉』考・・『ユウトピア』(3)

『ユウトピア』や『神』は、人間の『精神世界』が創出した虚構の抽象概念であろうと、梅爺は仮説を昨日述べました。梅爺の稚拙な理性が判断する限り、この『仮説』に矛盾を見出せません。

『ユウトピア』や『神』が、『物質世界』のどこかに存在するという『仮説』には、むしろ多くの矛盾を指摘することができます。

それでも、梅爺は『ユウトピア』『神』は実態として『存在しない』とは断言できません。論理的には『存在しない』ことを証明することは不可能であるからです。

人間の『精神世界』は、自由奔放に虚構の概念を創出できることが特徴です。

『安泰を希求する本能』を満たすために、虚構の概念や虚構の因果関係を『表現』することになります。

『願う』『期待する』『希望する』『祈る』などは、全て『安泰を希求する本能』がもたらす行為です。

『不思議なこと』『分からないこと』を私たちは、放置すると、『安泰』、が脅かされますから、何としても自分で納得できる『因果関係』を考え出そうとします。勿論それは『自分にとって都合が良いもの』になります。

『ユウトピア』や『神』は、『そういうものが存在してほしい』と『願う』人間の『精神世界』が創出したものに違いありません。

特に『神』は、それによって『不思議なこと』『分からないこと』の説明ができてしまうという、絶大な効果をもたらしました。全て『神の御業』『神の御意志』とすれば良いからです。古代の人が『天地(人間も含み)は神が創造した』と考えたのは、これに優る『因果関係』を思いつかなかったからです。梅爺も当時の人間であれば、それを『信じた』でしょう。

『精神世界』が考え出す『因果関係』は、『物質世界』を説明する『因果関係』のように、普遍的なものではありません。このため『精神世界』の考え出す『因果関係』は、自由奔放になります。『桃から男の子が生まれる(桃太郎)』『竹の中から女の子が生まれる(かぐや姫)』ことになります。

『人間社会』にとって重要なことは、『誰か』が主張し始めた『虚構の概念』『虚構の因果関係』に、多くの人が共感して『自分の考え方』として受け入れる(信ずる)という現象が起こることです。

これは『主観の共有』という現象で、一度『人間社会』に根付いた『主観の共有』は、大きな影響力を発揮し続けます。

『ユウトピア』は、『主観の共有』の一つの例です。

本来『主観』は『個性的』でバラバラなものですが、『人間社会』で、多くの人たちが『共有』すると、一色になってしまうという不思議なことが起こります。

『神』『国家』『貨幣価値』などは、『主観の共有』の中でも特に大きな影響力をもたらしたものです。 

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