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2019年11月 8日 (金)

『人間』と『自然』の乖離(5)

生物の中で、『人間』だけが保有する『主観の共有』能力は、人類が『文明』を進展させる上で、決定的な役割を果たしました。『神(神々)』『国家』『貨幣』などという、本来抽象概念であるものを、実態として『価値ある存在』として認める、『主観の共有』が出現したからです。

『イヌ』や『ネコ』の世界には、『神』『国家』『貨幣』などの概念を共有する習性は存在しないように見えます。

『主観の共有』は、見ず知らずの多くの人たちが、『結束』できる要因であることが重要なことです。地球上の広域に普及した『宗教』、広域な版図(はんと)を支配する『帝国』、グローバルに通用する『貨幣』などは、『人間』だけが保有するものです。

この『主観の共有』は、『ホモ・サピエンス』が約7~8万年前に、『生物進化』で獲得した『抽象概念の認識能力』によるものであると、『ホモ・デウス』という本の著者は主張しています。『ネアンデルタール』を絶滅に追いやり、ホモ・サピエンス』が地球上の唯一の人類種として君臨するようになったのは、この『抽象概念の認識能力』によるものとこの著者は推論しています。

科学知識を保有しなかった時代の『人間』にとって、『自然』は『摩訶不思議で神秘な存在』であったと前に書きました。

『自然』は、自分たちが生きていく上で、重要な影響力を持つことは、当時の『人間』も認識しましたが、『自然』が時折、『人間』にとって不都合な事態をもたらすことに、困惑したに違いありません。特に『天災』は恐ろしいものでした。

『自然』を支配している『何者』かが存在すると考え、これが『神(神々)』の概念となりました。『宗教』の原点は、この『自然に宿る神(神々)』という概念を、人々が『主観の共有』をしたことであろうと梅爺は思います。『アミニズム』の登場です。

『アミニズム』では、『神(神々)』と『人間』の橋渡し役が必要になり、そのような特殊能力をを保有する人物(シャーマン)が人間社会で重要な役割を果たしました。『アミニズム』は『シャーマニズム』とも表現されるのはこのたです。日本の歴史では『卑弥呼』が、その典型的な『シャーマン』です。

『アミニズム』では、ある種の動物が『神の化身』『神の使い』と考えられました。『白馬』は『神馬』、『白鹿』は森の守り神、『狐』は『稲荷神』と考えられました。そして架空の動物『八咫烏(やたがらす)』は『神の使い手』となり、『竜』は水を司り、火事から家屋を守る『神』となりました。

このような『主観の共有』は、現代の日本にまで一部継承されているのですから、いかに根強いものであるかが分かります。

それでもさすがに現在では、『古代エジプトの神々』『古代ギリシャの神々』『古代ローマの神々』は、人々の信仰の対象で無くなっていますので、『主観の共有』の内容も、永い時をかけて『変容』していくものであることが分かります。

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