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2019年11月13日 (水)

『芸術』の政治的統制(2)

『芸術』が何故『人間』にとって重要な意味をもつかは、『安泰を希求する本能』が『人間』を支配していると考えないと見えてきません。

勿論、『人間』だけでなく、あらゆる『生物』は、『安泰を希求する本能』に支配されています。『生物進化』の過程で、『個』や『種』の生存確率を高めるために、最も重要な要因であったからです。『安泰を希求する本能』の資質を強く保有する遺伝子をもつものが、生き残ってきたと考えられます。『人間』は、その資質を継承しているに過ぎません。

『脳』の進化で、高度な『精神世界』を保有するようになった『人間』は、『心身ともに健やか』が『安泰』の要件になりました。つまり、『肉体の安泰』『精神の安泰』を両輪のように必要とする存在になりました。

もっとも、『イヌ』や『ネコ』も、急激な環境の変化がストレスになって、『病気』になるところをみると、『人間』と同じレベルではないにせよ、何らかの『精神(心)』』を保有していると推測できます。

『生物進化』を考えれば、『人間』だけが『精神』を保有していると考える方が不自然です。ただそのレベルが大きく異なるということなのでしょう。

もう一つ、『芸術』を考える時に重要な要因は、『人間』が生物として『群をなして生きる』という方法を選択したことです。

『群をなして生きる』ことを選択したのは、生物として『人間』だけではありませんが、高度な『精神世界』を保有するようになった『人間』にとって、『群をなして生きる』は『個だけで生きる』のとは異なった『資質』を求められることになりました。

一般論としては、これは『人間』だけの問題ではなく、『群をなして生きる』生物にとっても共通の同様です。

『人間』の高度な『精神世界』は、『群をなして生きる』上で、『人間』独特の『資質』を獲得、継承していくことになりました。

ここでも『安泰を希求する本能』が強く働きました。『群』の中で『安泰』が脅かされるのは『仲間はずれ』にされてしまうことで、何としても『自分の存在を仲間に認めてもらう』ことが必要になりました。

そのために『他人がどう考えているか、どう感じているか』を『知る』ことと、『自分がどう考えているか、どう感じているか』を他人に『知ってもらう』ことが重要なカギを握ることになります。

『コミュニケーション』能力は、このようにして養われて行きました。『言葉』『言葉以外の表現(音、絵、造形)』『顔の表現』『身体のジェスチャー』などあらゆる手段が『コミュニケーション』のために駆使されました。

私たちが現在でも『絆』にこだわるのは、この基本的な『資質』を継承しているからです。『絆』を確認することは、『群のなかのでの安泰』を確認することです。

『孤独』や『仲間はずれ』が、『人間』にとって大きなストレスになるのはこのためです。

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