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2019年10月 8日 (火)

江戸の諺『人を茶にする』

江戸の諺『人を茶にする』の話です。これはヒトを愚弄する、からかうことを意味します。現代でも『人を茶化す』などという表現を使います。

梅爺は日本語の歴史に詳しくありませんが、古代の『和語』には『チャ』という発音を使う言葉はなかったのではないでしょうか。中国からた『茶』がもたらされて、『漢語』の発音『チャ』が、日本で使われるようになったのでしょう。

それでも耳で聴く『チャ』という響きは、昔の日本人にとって『美しい語感』ではなく、何となく軽々しい異質な感じを受けるために『茶道』を『チャドウ』ではなく『サドウ』と発音したのは、そのためではないでしょうか。

一方、新しいものへの興味心が旺盛な日本人は、『チャ』という響きに新鮮さを感じ、何となく軽々しいニュアンスを表現するときに、これを用いるようになったのではないでしょうか。梅爺の勝手な想像ですから間違っているかもしれません。

もしそうなら、『人を茶にする』『人を茶化す』は、飲み物の『茶』と本来無縁で、当て字として『茶』を使ったことになります。

現代では、『オチャラカ』『チャッカリ』『チャンと』などと『チャ』の発音は、使われますが、それでもかしこまった文章では、日本語の美しさを乱すものとして、避ける人が多いように感じます。これらの言葉が、日本語として根付いたのは、近世以降のことではないでしょうか。

『チャルメラ』も、ポルトガル語で『芦(あし)』の意味ということらしいので、これもあの独特なラッパの音色とともに。珍しい外来語として根付いたのでしょう。

『チャ・チャ・チャ』は、新しいラテン音楽のリズムの一つとして、日本にもたらされたのですが、今までにない新鮮な感覚として、流行しました。『おもちゃのチャ・チャ・チャ』などは、子供が好きそうな楽しい語感です。日本のサッカー代表が試合をする時に、サポーターは『ニッポン、チャ・チャ・チャ』と手拍子で叫びますが、これも新鮮で楽しい語感を利用していることになります。

『茶化す』の語源は、当て字ではなく、『お茶にする(休憩にする)』という意味で、それまでの状態を曖昧にして、なんとなくごまかしてしまうという意味が語源であるという説もあるようです。確かに『チャラにする』などという時の意味はこれに当てはまるようにも感じますが、少しこの説には無理を感じます。

『人を茶化す』は、決して良い行為ではありません。しかし、私たちの『精神世界』の根底に『安泰を希求する本能』があり、相対的に他人より自分を有利な立場に置きたいという欲望があって、こういう行為に走りがちです。

歪んだ相対的『優越感』が根底にありますから、『茶化す』は、笑いごとでは済まされい『いじめ』『差別』にもつながりかねません。

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