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2019年9月 7日 (土)

ガンを発症させる要因の究明(4)

『ガン細胞』を一種の生物とみなすならば、この生物は他の生物の多くが生物進化の過程で取得しているある種の『知恵』を未だ保有していないように見えます。

多くの生物が保有している『知恵』というのは、『自分の安泰を最優先』するにしても、ある安泰のレベルが獲得できた時には、それ以上『敵』を攻撃したり、殺戮したりはしないという本能的な習性のことです。

果てしなく『安泰』のために欲望をつのらせると、反ってそれは自分を不利な状況に追い込むことになると本能的に判断することを意味します。

アフリカ・サバンナで、ライオンはガゼルの群を襲って、餌食にしますが、刹那的な食欲を満たすことが目的で、ガゼルの群を殲滅に追いこむことを目的には行動しません。

残念ながら人間という生物種は、この『知恵』を保有しているとは言い切れないところがあります。生物種の中でもっとも獰猛なのが人間かもしれません。

『ガン細胞』は、増殖を最優先しているように見えますが、これは『宿主(ホスト)』を死に追いやることにおなり、結局自分も死ぬことになります。

いつの日にか『ガン細胞』も『知恵』を獲得し、自らあるレベル以上の増殖を抑制してくれるようになれば、人間とは『共存』できるようになりますが、今のところ、人間にとってそのような都合のよいことは起きそうにもありません。

このエッセイの著者も、そのことを指摘しています。

『病気』『老い』『死』は、人類にとって『悩みの種』でした。しかし、これらは人間の力ではどうすることもできないことと『観念』して対応してきました。

『釈迦』は『悩みの種』を、『煩悩の解脱』で克服し、『涅槃(悟りの境地)』にいたる対応法を考え出しました。

その他の多くの宗教は、信仰を貫けば『死後魂は神の国に召される』と説き、『死の不安』を緩和しようとしました。

しかし、現代科学は、『病気』『老い』『死』といえども、必ずしも『どうすることもできない』ことではなさそうだという可能性を具体的に提示し始めています。

『ガンへの対応』もその可能性を高めつつあります。

人類が『ガンの撲滅』に成功し、『不老不死』も可能にすることは、『夢物語』ではなくなりつつあります。

『ホモ・デウス』という本を何回かにわたって紹介してきましたが、この本は、『ガンを撲滅』し『不老不死』をも手に入れた人類の未来を論じたものです。

個人にとっては『ガンの撲滅』『不老不死』は、永年の『悩みの種』を解消できる歓迎すべき事態であるように見えますが、『人類全体』にとって、これが歓迎すべき事態であるかどうかは、深い洞察を要します。

『自然の摂理でいきる生物』であった人間が、『人為的に摂理を利用して人工的な能力を併せ持つ生物』に変身することは、素晴らしいことというより、おぞましいことのように梅爺は感じています。

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