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2019年8月 6日 (火)

『神道主義』と『人道主義』(6)

『人道主義』の『経済的価値観』としての『消費者はいつも正しい』も、『無理な前提』です。『お客様は神様です』や『黒いネコも白いネコでも、ネズミをとるネコはよいネコである』という表現同様に『利益至上主義(金がもうかれば何でもよい)』を賛美するものにすぎません。

『需要』と『供給』のバランスで、『経済』が進行することは確かですが、『需要』の基盤となる消費者の嗜好は、『個』の『価値観』であって、『全体』のために『好ましい』ものである保証はありません。

民放テレビ局にとっては、財源となる『広告費』を増やすために、『視聴率』は重要な指標となり、『視聴率が得やすい』という理由で、『オチャラカ・バラエティ番組』が増えることになります。『大宅壮一』が、民放テレビが開局されたころ、テレビを『一億総白痴化』の要因と皮肉ったのは、この事を洞察したからでした。

市場に問題が生じたとき、楽観的な経済学者は、『必ず見えない神の手が働いて、市場は是正される』というような主張をしますが、『神の手』の正体が『賢明な消費者の判断』であるとすれば、これも当てになりません。

『消費者』を『個』ととらえるか、個性的な『個』が集まった『消費者の集合体』ととらえるかで議論は異なります。『消費者の集合体』ならば、統計的に『正しい』方向を採択するというのであれば、『個』の資質の分布は、『正しい』を採択することに重みのなる分布で無ければなりません。そのようなことが云えるのかどうか梅爺は知りません。

『人道主義』の『政治的価値観』『経済的価値観』を肯定するのであれば、『国家』や『企業』は、『なりふり構わず自分の利益を重視する』ということになりかねません。

『都民ファースト』『アメリカ・ファースト』などという政治リーダーが高い支持を受ける背景は、投票者も『人道主義』の価値観に染まっているからなのでしょう。

『パイ』の大きさが一定であれば、『誰かが得をすれば、誰かが損をする』という『ゼロサム』の考え方が成り立ちますが、『誰もが得をする』ことを可能にするためには『パイ』は大きくなり続けなければなりません。

人間社会は、中世まで『ゼロサム』社会でしたが、近世以降『新資源の発見』『科学による問題の解決』『仮想価値の導入』などで、一見『パイ』が大きくなり続けているように見えるようになりました。

しかし、自転車はこぎ続けなければ倒れるように、『パイ』を大きくし続ける行為が、いつまでも可能なのかどうかは不透明です。

『神道主義』から『人道主義』に変わり、現在はその価値観が主流ですが、やがて『人道主義』では立ちいかなくなり、新しい『○○主義』の価値観を受け入れなければならない時が来るのかもしれません。

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