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2019年8月31日 (土)

遺伝子の変異発生が増えている(3)

生物進化の過程の中で、ある統計的確率で『突然変異』の資質が子供に発現することは、分かっていましたが、それとは異なり、社会環境が『突然変異』を発現させる確率を高めているとすれば、それは生物進化と切り離して考えるべき問題になります。

しかし、人間社会に『突然変化』の発現が増えれば、それは永い目で観れば、人類の生物進化にも影響を与えることになります。この複雑な関係を私たちは理解しなければなりません。

今のところ、『両親の高齢化』がなぜ『精子』『卵子』の質の劣化をもたらすのか、社会環境のどの要因が『精子』『卵子』の質の劣化をもたらすのか、科学的な『因果関係』の特定はできていないような気がします。

『人工的な電磁波(電波)にさらされている』『生きる上でのストレスが増えている』などと、その要因を推測はできますが、定量的にその『因果関係』は証明できていないということです。

更に、これらの事象は『個人差』があることですので、統計的に『因果関係』を立証する必要があります。個人に『ガンが発症する』という事象と、社会の『ガン発症率が高まっている』ということは、相関関係はありますが、そうであるからといって誰もが『ガンになる』わけではありません。

私たちの身体は、基本的には受胎時に決定した『遺伝子情報』に基づいて形成されています。もちろん、生誕後の、生活習慣などで、身体の状態は変わりますが、基本的な『設計図』は、『遺伝子情報』で付与されていることになります。

人間の身体は、約60兆個の『細胞』で構成されていて、その『細胞』は原則的に新陳代謝で『死滅』『生誕』を繰り返しています。全体としての梅爺は『生きて』いますが、梅爺の中では日夜無数の『生死』が繰り返されていますから、昔の梅爺と現在の梅爺では別の『細胞』で形成されているという不思議な話です。梅爺の『細胞』は黙々と『物質世界』の『摂理』に則って、生命活動を維持しているだけで、死を悲しんだり、生誕を喜んだりはしていません。自分の中で展開されるこの膨大な別世界に、梅爺は唖然とするだけで、『御苦労さん』というほかありません。

更に驚くべきことに、梅爺の60兆個の『細胞』は、元はといえば両親の『精子』『卵子』というそれぞれ1個の『性細胞』が結合することから、『細胞分裂』が開始され、現在に至っているということです。

そして、更に驚くべきことは、梅爺の60兆個の『細胞』は、全て『同じ遺伝子情報』を保有しているということです。

工学技術者であった梅爺が『システム設計』をするならば、このような効率の悪い方法は採用しないに違いありません。『一つの遺伝子情報』を、中枢に配備して、それを、全ての機能が参照するように設計するでしょう。

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コメント

梅爺さま、

初めまして。 いつも貴殿ブログを興味深く読ませて戴いております。 遺伝子情報が世代間で母親と父親の遺伝子以外に数百個の変異が発生する件はとても興味があります。 梅爺さまは「『両親の高齢化』がなぜ『精子』『卵子』の質の劣化をもたらすのか」と記述されておりますが、私には少し違う(あまり根拠のない)想像があります。 それは「遺伝子は動植物の成長と共にほんの少しだけ変化するのではないか?」という妄想ともとれる想像であります。 もしもこの想像が科学的に証明されれば、高齢出産に伴うリスクは残りますが、必ずしも精子と卵子が劣化している、とは言い切れないように思います。 梅爺さまのお考えを伺いたく、コメントさせて戴きました。

投稿: Mao827 | 2019年8月31日 (土) 10時46分

Mao827さま
コメントありがとうございます。
動植物の成長とともに、遺伝子が少し『変わる』という発想は面白いですね。
ただ、細胞は『新陳代謝』時に、遺伝子が正しくコピーされるように、かなり厳密にチェックされる仕組みになっています。
上記の仮説が成り立つとすれば、成長と共にチェック機能が『緩む』という可能性を証明する必要があるように思います。
私は遺伝子の専門家ではありませんので、お役にたてるコメントはできません。
お許しください。

投稿: 梅爺 | 2019年9月 5日 (木) 16時50分

梅爺様、

返信コメントを戴きまして、ありがとうございました。 当方の勝手な想像でしかありませんので、仮説というにも心許無い、単純な「希望」とも取れる考えだとも云えると思います。 生物の進化が遺伝情報の変異から生じているのは定説と思いますので、その変異が生物の後天的な影響を受けても不思議ではないと考えてしまいました。

これからも貴殿の深い考察に基づくブログ記事を楽しみにしております。

投稿: Mao827 | 2019年9月 9日 (月) 11時43分

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