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2019年4月21日 (日)

科学の世界にヒーローがいなくなりつつある(4)

このエッセイの著者は、『民主主義』を肯定しながら、『民主主義』が前提としている、『国民は、健全な判断能力を有している』という条件は信用していないように見受けられます。

 

現代社会に最も影響力をもつ『科学』に、国民は『関心』を示さないと嘆いているわけですから、国民は『衆愚』であると、暗に認めていることになります。

 

そこで『衆愚』の国民をの鼻先に『ヒーロー』というニンジンをぶら下げて、走り出してもらおうという『戦術』を思いついたのでしょう。

 

『中国のような、『共産党一党独裁国家』では、このような姑息な『戦術』は必要ではありません。

 

『習近平』が、アメリカとの覇権争いに勝つために、科学者、技術者の育成投資を行い、研究開発にも多額の国家予算を割り振るように指示することは容易に想像がつきます。つまり『習近平』や一握りの党幹部の『決断』で、『科学』への投資が行われることになります。『共産党の政策』に、国民が批判的になることが権力者にとって最も恐ろしいことですから、国民に与える『情報』を操作したり、制限したりして、国民を『衆愚』という洗脳状態にしておく方が、むしろ都合が良いと考えるに違いありません。

 

このことから『習近平』が『科学』を理解し、その本質を洞察できる能力の持ち主であるということにはなりません。『権力闘争』『覇権闘争』の手段として、『科学』を重視しているということにすぎません。

 

このような投資では、『成果』が確実であることが求められますから、『基礎科学』の情報は、手っ取り早く先進国から盗めばよい、ということになり、『産業スパイ』が横行することになります。この結果、このような『中国』からは『ノーベル賞』受賞者はなかなか出てこないでしょう。

 

もっとも、『習近平』が、『中国』の名誉のために、『ノーベル賞』受賞者をこれからは沢山出すようにせよと指示し、『大当たりのためには、金に糸目をつけない。無駄遣いもかまわない』と言い出せば、逆に近い将来『ノーベル賞』受賞者は中国人で占められるというようなことになるかもしれません。

 

梅爺は、『科学』は大切であるからもっと投資せよ、という議論の前に『科学は人類社会に何をもたらすのか』の議論を深めてほしいと願っています。もはや、そのような時期にきているからです。

 

今までは、『科学』がもたらすものは、『人間』が主人として使いこなす便利な『道具』に留まっていましたが、近い将来『科学』がもたらすものが、逆に『人間』を支配するように変貌する危険が見えてきています。

 

『人工知能(AI)』『遺伝子操作』などは、『人間』や『人間社会』を根本的に変えてしまう可能性を秘めているからです。これらが、政治の『覇権闘争』の手段になることも恐ろしい話です。

 

『科学の世界にヒーローがいなくなるつつある』といったことは、梅爺にとっては大きな関心事ではありません。

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コメント

梅爺閑話のほぼスタート時点からの愛読者の同世代の1人です。このブログの、終段に、(派遣闘争)と言う言葉が出て来ますが、上段部分に、覇権闘争、権力闘争という言葉があり、文脈からすると覇権闘争とすべきを変換ミスで派遣闘争になったかと推測出来ますが、過去何年ものブログでも変換ミスは、殆ど記憶に無く、(派遣闘争)という言葉を使われた背景を教えて頂ければさいわいです。

いつも啓蒙に駆られるブログ、ありがとうございます。
益々のご活躍を祈っております。

投稿: 蓮沼 | 2019年4月21日 (日) 11時10分

蓮沼様 コメントありがとうございます。

派遣闘争は覇権闘争の単純なミスです。
チェックミスで、お恥ずかしい次第です。

ご指摘ありがとうございました。

投稿: 梅爺 | 2019年4月22日 (月) 01時49分

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