« 『精神世界』を理解する方法(5) | トップページ | 『精神世界』を理解する方法(7) »

2019年2月11日 (月)

『精神世界』を理解する方法(6)

『精神世界』を理解するためには、『物質世界』の『変容』の一つである『生物進化』の内容を知る必要があります。

約40億年の歴史を持つ『生物進化』の中で、『人類種』という生物の『歴史』は、6百万年程度であり、私たち『ホモ・サピエンス』に至っては17万年の歴史しかありません。

しかし、『生物進化』の中で、生物としての本質的な『資質』は、最初の生命体から脈々と継承され続け、私たち『ホモ・サピエンス』の中にもその『資質』は継承されています。

その『資質』の中で、重要な役割を演じているのが『安泰を希求する本能』であろうと梅爺は推察しています。この『本能』を前提に考えると、『人間』や『人間社会』に関する事象の本質が見えてくるからです。生物としても『個』が生き延び、『種』が代々継承されていくために、この本能は欠かせないものです。もちろん人間以外の生物も、程度の差はあれこの本能を有しています。

前に列記した『精神世界』の特徴の1番目は、『情』が重要な役目を果たしているということですが、『情』は、『安泰を希求する本能』と深くかかわっています。

私たちは、絶えず周囲の状況を観察し、それが自分にとって都合が良い状況か、そうでないかを意識的に、または無意識に判定して次なる行動を準備します。

都合が悪いと判定した時は、『脳』はそれを『不安』『危険』というストレスとして対応するホルモンを分泌して、『肉体』に『警戒警報』を発令します。これが『悲しみ』『憂い』『苦しみ』といったネガティブな『情(情感)』を喚起します。

ボールが自分の顔へ向かって飛んで来れば、私たちは咄嗟に手で顔を覆い、防御しようとします。これは無意識のまさしく本能的な行為ですが、高度な理性を進化で保有するように「なった『人間』は、『不安』『危険』の原因を、『因果関係』で推測(推論)し、『安堵』しようとします。『不安』を解消しようとするのは『安泰を希求する本能』が働くためです。

古代の科学知識を持たなかった『人間』にとって、自然界の事象の大半は、『不思議』であり、その『不思議』を『分からない』まま放置することは、『不安』のストレスとなりますから、何としても『因果関係』を推論して、『安堵』したい思ったのは当然のことです。

『天地は神が創造した』『死後にはあの世がある』などは、すべてこの様な古代の人たちが『安堵』を得るために『推論』した内容にほかなりません。これらの表現を『論理命題』とすれば、現代の『科学知識』では論理的に『真(正しい)』と証明はできません。

しかし、これらの表現内容は、は多くの人が『正しい』と『信じ』で現代にまで継承されていて、『人間社会』に大きな影響を及ぼしています。現代のアメリカ人の40%は『生物進化』を、『聖書』の記述に反するとして『信じ』ていないと言われています。

『サピエンス全史』という本の著者は、これを『主観(信ずること)の共有』と表現していて、この社会的な『慣性』が、想像以上に強固であることを指摘しています。見事な洞察です。

|

« 『精神世界』を理解する方法(5) | トップページ | 『精神世界』を理解する方法(7) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 『精神世界』を理解する方法(5) | トップページ | 『精神世界』を理解する方法(7) »