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2018年12月 2日 (日)

梅爺創作落語『極楽詣で』(4)

(八五郎)『するってぃと何かい。お前さんは極楽へ戻る方法をご存じごなのかい』
(又兵衛)『はい、先ほど阿弥陀如来様に教えていただきました』
(八五郎)『ちょいとお待ちよ。ここに居るのはお前さんとあっしの二人だけじゃないのかい。阿弥陀如来様がこんな汚い長屋を訪ねてくださるなんてぃ話は聞いたことがありませんな』
(又兵衛)『いえ、阿弥陀如来様は極楽におられて、何から何まで私どもの面倒を見てくださいます。極楽の霊者は、どこに居ても以心伝心で阿弥陀如来様とお話ができるのでございます』
(八五郎)『へーぇ、驚いたね。それでお前さん極楽へ戻る方法を教えてもらったってぃわけかい。その方法とやらは、厄介なものなのかい』
(又兵衛)『いえ、その方法はいたって簡単なのでございますが、厄介なのはそれに一つの条件がついておりましてな』
(八五郎)『なんだいその条件てぃのは』
(又兵衛)『この世の人間を一人を道連れにしないと帰れないということでございます。急な話で恐縮ですが、八五郎さん、極楽までご一緒いただけませんかな』
(八五郎)『いくらご先祖様のお前さんの頼みでも、そいつはきけませんな。だいたい極楽へ行くということは、あっしがこの世をおさらばして死ぬということになるんじゃないのかい。貧乏暮らしでも、まだまだこの世に未練がありますからな』
(又兵衛)『そうおっしゃるだろうと思って、そのことも、阿弥陀如来様に確かめてございます。私に極楽まで付き合っていただいた後は、お望みならいつでもこの世へ御戻りいただけるというでございました』
(八五郎)『その時はまたお前さんを道連れにしなければならないとなると、この話は堂々巡りになっちまうじゃないのかい』
(又兵衛)『いえいえ、お前様一人でお帰りになる方法も阿弥陀如来様に確かめてございます』
(八五郎)『なんだってまた阿弥陀如来様はこの世の人間の道連れをご所望なさるのかねぇ』
(又兵衛)『この世の人たちは、極楽のことは話に聞くだけで、半信半疑な人や、中には全く信じない方もおられますな。阿弥陀如来様は、八五郎さんに実際極楽を観ていただいて、この世にもどり正しい話を伝えてほしいということでございましょう』

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