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2018年12月16日 (日)

『虚構』の共有(2)

梅爺がこの本の著者に共鳴するのは、梅爺のように『物質世界』『精神世界』といった区分けで、周囲の事象を論じているわけではありませんが、結果的に主張していることは、梅爺の言いたいことと同じであるからです。

世界のどこかに、梅爺と同じように考えている見知らぬ人がいることを知ることほどうれしいことはありません。

さらにうれしいのは、同じ主張をしながら、梅爺の洞察よりはるかに深い洞察を著者がしていることを知ったことです。このことは梅爺が啓発され、考え方がさらに強化されることを意味します。

具体的には、人間の『精神世界』の特徴の一つである、自由奔放な『虚構』を考え出す能力についての洞察です。

梅爺は、『物質世界(自然界)』と人間の脳が創りだす『精神世界』の対比を考えている中で、『自由奔放な虚構の創出能力』が『精神世界』の重要な特徴の一つであることに気付きました。

何故人間がそのような能力を持つようになったのかは、『精神世界』を支えている『安泰を希求する本能』を機能させるために、それが必要であったからであろうと推測しました。

人間には、自分の能力では『分からない』こと、自分にとって不都合なことに遭遇すると、それは脳内に『不安』を引き起こします。具体的には対応するホルモンが分泌されます。このときに、ある種の自分を安心させるための『因果関係』を『虚構』として考え出し、『そういうことに違いない』と納得しようとします。

人類が考え出した最強と言える『虚構』は、『神』であろうと梅爺は思います。何しろ『神』は『全知全能』ですから、『天地を創造した』『私たちの罪を許してくださる』とどんな『因果関係』でも利用できます。日本人が古来『苦しい時の神頼み』と言ってきたのは、『諧謔』で自分を笑い飛ばしているとはいえ、実に含蓄のある表現であることがわかります。

梅爺の『虚構創出能力』に関する洞察はそこまででしたが、『サピエンス全史』の著者『ユヴァル・ノア・ハリル』の洞察は、さらに深いもので、梅爺は自分の考えの浅さを思い知らされました。

『ユヴァル・ノア・ハリル』の主張は、『ホモ・サピエンス』の『虚構創出』とそれを仲間と共有する能力が、『ネアンデルタール』などの先住人種を絶滅においやり、その後『文明』を築くための基盤になったというものです。

『精神世界』の『虚構創出能力』が人間にとって、特徴的であるところまでは梅爺も追い詰めましたが、『文明』がその能力で開花したというところまでは思いが至りませんでした。しかし、『虚構』に着目する強力な味方を発見できてわが意を得ました。

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