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2018年12月24日 (月)

犯罪で形成された国家(4)

このエッセイの著者は、弱い国家ほど、強いジャーナリズムが必要と述べています。

不正や腐敗を指摘し、糾弾する役目がジャーナリズムにあるという意見は、ステレオタイプな意見で、洞察が浅すぎるように感じます。

不正や腐敗が国家の中枢にまで及んでいる国では、ジャーナリズムも同じ泥沼にまみれていて、たとえ一人の新聞記者が正義感を奮い立たせてみても、記事は検閲され、その記者は左遷させられるに違いないからです。

これらの国では、ジャーナリズムは、国家権力の広報機能を負うだけで、不正や腐敗の糾弾など、夢のまた夢です。これも、現在の北朝鮮、中国の『報道』をみれば、ジャーナリズムなど機能していないことが分かります。

それでは、日本のように比較的民主主義が社会に根ざしている国ではどうかというと、北朝鮮や中国のようなことはないにしても、やはりジャーナリズムが『公正』、『中立』であることを阻害する要因があります。

『NHK』は管轄省庁である『総務省』の意向を忖度するでしょうし、民放や新聞社は、経営の基盤を『広告(コマーシャル)』に依存する以上、広告主の意向を配慮せざるを得ません。また民放は視聴率を上げるために、ポピュリズムへの安易な迎合を行いがちです。

そのような状況で、それでも『公正』『中立』に徹しようとする、放送局や新聞社の努力を、国民はある程度理解して受け容れていることになりますから、日本の民主主義はレベルが高いと言えるのかもしれません。

『犯罪で形成された国家』『独裁国家』『一党独裁国家』が、将来本当の『民主主義』へ転ずることはあろうと思いますが、現状の『慣性』は想像以上に強く、大変なエネルギーと時間を要するに違いありません。

『個性』を認めない社会は、国の経営は効率的かもしれませんが、個人の『精神世界』は苦痛に苛まれます。歴史は、最終的に国民が『自由』を求めて決起し、体制が覆えるという事例が多いことを示していますが、権力側も、『秘密警察』『軍隊』などを総動員して、必死に弾圧に出ますので、痛ましい犠牲も避けられません。

民主主義国家の人たちは、これらの国家について『危惧』しますが、他国への干渉には限界がありますので、結局、『問題を抱えた国』の国民が、何を選択するかを見守るほかありません。

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