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2018年12月19日 (水)

『虚構』の共有(5)

人間以外にも、『群』を作って生きる生物はいますが、『ボス』が支配する動物の群の場合、群のメンバー数はだいたい100~150程度です。

『絆』を構築できる仲間の数には限度があり、それ以上は、『信頼が置けない見知らぬ他人』となって、『群』は『部外者』『敵』と見なすことになります。

『絆』を構築できる仲間の数を、100程度から一気に大幅に増やすことに成功したのが、『ホモ・サピエンス』であるというのが、『サピエンス全史』の著者『ユヴァル・ノア・ハリル』の主張です。

これを可能にしたのが『認識革命』で、約7万年前のことと推察しています。

『認識革命』が、何故『他人を仲間と見なす』ことに貢献するのかは、次のように説明できます。

他人同士でも、『同じ神を信じている』『物々交換に関して同じ価値観を持っている』ことがお互いに判明すれば、仲間と認めることができます。しかし、このようなことを可能にするには、『脳』が、『神』『物々交換のための価値観』といった『抽象概念』を『認識』し、それをお互いに『共有』する能力を保有している必要があります。『認識革命』で、生物として初めてこの能力の獲得に成功した『ホモ・サピエンス』は、『群』を構成するメンバー数を飛躍的に大きな数に変えました。

『国家』『帝国』などという規模の『群』が出現し、この大規模な『群』を統率、運営する為に『文明』が発展していったことが分かります。

『精神世界』で自由奔放な『虚構』を創出する能力が、人間の重要な特性であることまでは梅爺も洞察できていましたが、この能力こそが人類が『文明』を発展させた原動力であるということまでは、気づきませんでした。『サピエンス全史』を読んで、梅爺の考え方は強固になりました。

そのような視点で、周囲を観てみると、私たちは、『同級会』『同窓会』『県人会』『会社の同期会』『会社のOB会』『趣味の仲間』『信仰の仲間』など、『抽象概念』をベースに他人との『絆』を確認しながら生きています。

梅爺は『日本国民』『日本人』であることに疑念を抱かず生きていますが、もし、梅爺に『日本(国家)』『日本人(民族)』などという『抽象概念』を受け容れる能力がなければ、砂上の楼閣のようなものであることが分かります。

『抽象概念』を『認識』『共有』する能力が、『文明』を進化させ、私たちの『言語』や『芸術』表現を豊かにしてきたという主張は、説得力のある『仮説』であると梅爺は思いました。

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