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2017年11月12日 (日)

できそこないの男たち(1)

『分子生物学』を専門とされる『福岡伸一』先生の著書『できそこないの男たち(光文社新書)』を読みました。 

『ダメ男』であると自認している梅爺でも、面と向かって『できそこない』と言われると心穏やかではありませんが、幸いこの本は梅爺のような『ダメ男』を論じた本ではありません。 

一言で言ってしまうと、生物の『基本形』は『メス』であり、『オス』は『メス』から派生したものであるということを、『性染色体』『遺伝子』の最新科学知識から解き明かした内容の本です。 

『私は理系ではないので、難しそうな本だ』と敬遠される必要はありません。 

『福岡伸一』先生は、類稀(たぐいまれ)な日本語の文章の達人で、構成力、表現力(特に美しさ)に秀でていますから、つい引き込まれて読み進むことになります。 

勿論、『科学知識』のない人への配慮もされていますから、科学文献や教科書を読む味気なさは全くありません。

『専門分野(分子生物学)の理解能力』『日本語の文才』の両方を併せ持つ『福岡伸一』先生は、梅爺にとっては羨望の的です。

もし先生ほどの文才が梅爺にあれば、『梅爺閑話』は今のように『難しい、面白くない』などという評を受けずに、面白いブログと評判になっているに違いありません。

さて、先生がこの本で指摘されていることが、現時点で『科学知識』として定説となっているとすると、『旧約聖書(創世記)』に書かれている、『アダムとイヴの誕生(人間の出現)』の話は、『正しくない』ということになります。『科学』は又『宗教』にとって都合の悪い事実を明らかにしたということになります。

『創世記』によれば、『天地創造』の6日目に、『神』は土くれから『神』の姿に似せて『アダム(男)』を創り、息を吹き込んで『精神』を宿らせ、次に『アダム』のあばら骨を一本抜きとって、それを素材に『イヴ(女)』を創ったということになります。

最初に出現した『人間』は『男(アダム)』で、『女(イヴ)』は、それから派生して創られたという順序になりますが、『科学』が解明した結果は逆で、最初に出現した生物は『メス』で、その『メス』から『オス』が派生して出現したということになります。

『人間』も生物の一種に過ぎませんから、この原則は同じです。

このことを決定づける事実は、『人間』の胎児は、後に『男の子』になる胎児も受胎後の数週間は『女の子』で、ある時期『性染色体(Y染色体)』の遺伝子情報が機能し始めて、『男の子』へ変わっていくということだと知りました。

福岡先生は、この『変身』のプロセスを、男女性器の各部位を対応づけて、あっけらかんと説明しています。これを読んでいると、『性』や『性の営み』は、ひそやかに取り扱うものだという『価値観』は薄らぎ、『眼』や『口』といった、身体の他の部位の話と同じだと気付きます。

梅爺流にいえば、『物質世界』の事象として、『性』を論ずる時と、『精神世界』の価値観を絡めて『性』を論する時の違いということになます。

福岡先生は、『物質世界』の事象として、『女の子』が『男の子』に変わるプロセスを述べているということです。『物質世界』では、『恥ずかしい』『いやらしい』などという情感の価値観は意味を持ちません。

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コメント

人間の基本形は女で、男は女から派生してできました。男の無くてもいい乳首などは女から派生した名残です。
人間の元は猿で、人間は猿から派生してできました。無くてもいい立毛筋などは猿から派生した名残です。
「女は基本形だから優れている」というのは「猿は基本形だから優れている」のと同じ論理です。
優劣は結果としての能力差であって、基本か発展かは無関係です。あらゆる生物の基本であった微生物は最強でしょうか?
小さな体、未発達の筋肉、髭の欠如、小さな脳みそ。女の生物学的劣等性は確実です。

投稿: | 2018年7月 3日 (火) 11時17分

最近の女がグズグズしている理由!!
「女ってここぞという時弱い!」って思うことは誰でもありますよね。
実は、最新の脳科学的には男性の方が女性よりも頭がいいんです!
イギリスの学者によると、性淘汰すはわち競争者の男性どうしの競争を通して、男性は観察力、理性、発明の才、想像力、活力、忍耐力、勇気など高度な心的能力や大きくて強靭な肉体を獲得して、究極的に見て女性よりも優れた存在になったんだとか!
この傾向は99%以上の哺乳類に見られて、女性が劣っていることは生物学的に明らかになっているそうな。「哺乳類はメスが妊娠・出産するためのリスク・コスト、時間が膨大なため、競争者となるオスに大きな淘汰圧がかかる」との分析。
脳のニューロン数は、人間よりもゾウの方が3倍多いんだけど、思考など知的能力を司る大脳新皮質は人間の方が3倍多いらしい。より高等な生き物の方が多いのだ!
そしてこの大脳新皮質のニューロン数は男性が230億個もあって女性は190億個しかないんだって!
思考を司る部分が男性の80%くらいしか発達していないなんて...
女性にとってはトホホな結果に終わってしまいました......
そうなんじゃないかとは思ってたけど、、、
第一線で働く一流は男性ばかりですもんね!
世の女性たちには挫けずガンバってほしいですね!

投稿: 男女のニュース | 2018年7月 3日 (火) 11時18分

美女のニュースさま

コメントありがとうございます。
大変参考になりました。

男女のどちらが『強い』か『優れている』か単純に論ずることはあまり意味がないことなのでしょう。
生物としての役割分担を負いながら、進化してきていますから、『違い』があるのは当然で、『種』を効率よく継承するための『自然選択』が行われてきた結果と考えればよいという話ですね。

投稿: 梅爺 | 2018年7月 4日 (水) 09時41分

良心的な返信ありがとうございます。
私は近年の「男性叩き」に辟易していた者でして、上の「男女のニュース」は、男性を劣ったものとするネットニュースやブログの言い回しを繋ぎあわせ、男性を優れたものとする科学的根拠をはめ込んで制作したものです。一文一文が女性にとってイラっとする文章だと思いますが、それらは(根拠の部分以外)全て実際に男性に向けて報じられた言い回しです。学者の言説やニューロン数など根拠自体は事実ですが、能力は環境や教育で幾らでも変動するものであり、生物学的に優劣を決めようとすることが無意味だということを承知した上で執筆しました。貴方のブログタイトルが「できそこないの男たち」だったのでスパムまがいのコメントを載せてしまった次第です。他の方のブログにも、同様のタイトルのものには全て同様のコメントを載せました。
実際には女性を劣等生物だとは思っていません。女性が優っているとも思っていません。福岡伸一の本しかり、「男女のニュース」しかり。結論ありきならどちらの性を差別することも可能です。
私の行動で気分を害された女性もいるでしょうが、「あまりにもボロカスに叩かれている男性の救いを掲載したい」という気持ちが勝ったのです。もちろん、対立を煽る結果になってしまうでしょうから、このような行動は今後しません。
「男女のどちらが『強い』か『優れている』か単純に論ずることはあまり意味がないことなのでしょう。
生物としての役割分担を負いながら、進化してきていますから、『違い』があるのは当然で、『種』を効率よく継承するための『自然選択』が行われてきた結果と考えればよいという話ですね。」という結論が真実だと考えます。

投稿: 元「男女のニュース」 | 2018年7月 6日 (金) 19時30分

ちなみに福岡伸一は性ホルモンが免疫系を傷つけて男性の短命を運命づけるなどとしていますが、戦争、徴兵、危険な肉体労働、受験戦争、過労死を伴う長時間過密労働などが男性に強いられ、その種の男性差別が歴史的に蓄積されてきた結果、男性の寿命が短命化した可能性については言及していません。因みに、最近のイギリスの研究では男性の生活習慣が改善され、女性の飲酒など生活習慣が悪化してきていることなどから男女の寿命が逆転する可能性を示唆しています。
「平均寿命が低いから虚弱なのは確か」などと結論づけるのは早計です。実際、ニワトリの寿命に雌雄差はありませんし、犬はオスの方が少しだけ長生きです(小数点の違いですが)。
1920年代での平均寿命にも男女差はありませんでした。
こういった性の優劣に結びつく議論は慎重になった方が良いですね。上の「男女のニュース」にはそういった意味も込めておりました。

投稿: 元「男女のニュース」 | 2018年7月 6日 (金) 19時41分

男女のニュースさま
コメントありがとうございます。

全く異論ありません。
御教示に感謝いたします。

投稿: 梅爺 | 2018年7月 7日 (土) 10時37分

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