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2015年2月11日 (水)

Self-preservation is the first law of nature.

英語の諺『Self-preservation is the first law of nature.』の話です。 

直訳すれば、『自己保存は自然の第一の法則である』ということですから、梅爺は百万の味方を得たように嬉しくなりました。 

『梅爺閑話』で、何度も何度も書いてきたことと、同じ内容をであると理解したからです。

くどいようですが、再度梅爺流に解説すると以下のようになります。 

『生物が基本的に共有している本能は、生物進化の過程で生き残りの確率をたかめるために獲得した自分にとって都合のよいことを最優先で選択する習性で、人間も例外ではない』 

梅爺はこれを『安泰を希求する本能』と呼んできました。人間は、『精神世界』という『脳』が創り出す広大で深遠な『仮想世界』を保有するまでに進化しましたので、原始的な『安泰を希求する本能』が残っていることを、見落としがちになりますが、この本能を根強く保有しているという前提で『精神世界』を眺めると、『なんだ、そういうことか』と多くのことが、霧が晴れるように見えてきます。どうして、今まで誰もそのことを教えてくれなかったのかと不思議にさえ思います。 

『安泰を希求する本能』は、『安泰を脅かす状況を忌避する』ことでもあり、人間は『安泰を脅かす要因』を常に監視していて、発見した時は『ストレス』として危険信号を『脳』は発信し(対応するホルモンを分泌し)、身体も、心も、自分で『ストレス』を解消するように反応します。体内に入った異物は、『免疫』で排除しようとしたり、どんな悲しみも、時とともにすこしづつ癒えていくのはこのためです。 

人間は、『群をつくって生きていく』ことを選択しましたので、『孤独』は最大の『ストレス』として感じます。更に『個人の安泰』と『群の安泰』が時に矛盾することに遭遇し、『理性』でこれを調整する能力も獲得しました。 

『道徳』『倫理』『法』などは、『個人の安泰』と『群の安泰』の矛盾を解消するための知恵として考え出されたものです。『利他の心』『博愛主義』などもこれに属します。 

『宗教』は、『心の安らぎ』や『御利益(ごりやく)』を得るために考え出された手段で、『芸術』も『仲間との絆を確認する手段』として考え出されたものと梅爺は推測しています。いずれも『安泰を希求する本能』が背後にあります。 

『煩悩』は、『自分の都合を最優先する』本能そのものであり、私たちは自分の中に『菩薩(善心)』と『悪魔(邪心)』が共存すると感ずるのはそのためです。

『物質世界』に出現した、生物、人間に『安泰を希求する本能』が宿命的に備わっていることを直視し、それだけで振る舞うことが、むしろ『不都合』を生じると気付いた場合は、『理性』で抑制する必要があります。

私たちが『理性』を磨く努力をしなければならないのは、そのためで、『理性』を備えた人が多い社会が、真に文明度の高い社会と言えるのではないでしょうか。

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