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2015年2月 5日 (木)

謎が謎を生む(1)

『直面した事態にどう対応するか』を判断することは、生物が生き残るための重要な資質になります。このため、『生物進化』の過程では、この判断に関る能力が最優先で強化され、子孫に継承されてきました。もちろん『事態に気付かない』で、不幸に巻き込まれることもありますが、『気付いた』としても、その事態が対応能力を越えたもので、同じく不幸な結果に終わることもあります。

6500万年前に、メキシコのユカタン半島に、小天体が落下(衝突)し、数億年続いた『恐竜』の歴史は幕を閉じました。もっとも、最近では、鳥類の先祖は恐竜の先祖と同じと考えられていますので、『恐竜の絶滅』という表現は慎重を要するのかもしれません。

私たち『現生人類(ホモ・サピエンス)』以前に存在していた、異なった人類種である『ネアンデルタール』も、『何らかの事態』に対応できずに、2~3万年前に絶滅しました。暗い未来を強調したくはありませんが、高々20万年の歴史しか持たない『現生人類』が、今後『対応できない事態』に遭遇しないとは言えません。『自ら招く事態(核戦争など)』、『巨大な天災(地球と小天体の衝突など)』、『新種の病原菌やウィルスの攻撃』など、色々な事態は考えられます。少なくとも現在の環境は、『当たり前』のものではなく、『幸運』の要素が強いものと感謝して、私たちは大切に『生きる』必要があります。

新しい事態に直面した時、『受け容れる』『排除する(戦う)』『無視する』『逃げる』などの行為を、生物は『判断』に基づいて選択します。この『判断』は生物の『本能』として継承されますが、やがて『人間の脳』のように、『先のことを推量する』という『推論機能』が加わることになります。

『人間』は、生物に共通な原始的な『本能』と、『脳の進化』がもたらした『推論機能』を駆使して、周囲の状況に対応をするようになりました。『人間』が霊長類のなかで、抜きんでた『文化』『文明』を築いてきたのは、この『現在ばかりか将来のことも想定して対応しようとする能力』に拠るのは明らかですし、その能力の基本は『推論能力』であると言えます。

従って『推論能力』は、人間の『精神世界』の根幹の一つで、私たちは、この能力を駆使しながら毎日を生きています。『推論能力』は、『因果関係を自分なりに納得する』ことですから、『因果関係』が直ぐには見えないことには、『どうしてだろう』と興味を抱きます。興味を抱くという表現はポジティブですが、ネガティブに表現すれば不安をいだくということになります。『判断できないことは、自分に危害を与えることかもしれない』と『本能』が囁くからです。

梅爺が『精神世界』の根幹は、他の生物と同じく『安泰を希求する本能』であると考えているのはこのためです。

『推論能力』には大きな個人差があり(自然の摂理がつくりだした遺伝の仕組みが、必然的に肉体や能力に個人差を付与するからです)、誰もが、同じことに同じように反応するわけではありません。人によって『浅読み』『深読み』の度合いが異なることになり、これが人間社会で悲喜劇を生むことにもなります。

『科学』の世界で、『因果関係』が特定できていない最大の『謎』は、『宇宙の誕生』『最初の生命の誕生』ですから、この解明のために、科学者は挑戦をし続けています。飛びきり頭の良い人たちが、私たちが理解できない領域にまで立ち入ろうとしていることになりますが、科学者の動機も『安泰を希求する本能(知って安堵したい)』であることには違いがありません。

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