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2015年2月 2日 (月)

怖ろしいのは天災ではなく人災(2)

『科学』で得た『知識』を、利便のために次々に応用するという能力は、生物の中で『人間』だけが保有するものです。文明の一部は『科学』に依存しています。 

『殺すなかれ』『盗むなかれ』と『法』や『倫理』で決めてみても、どのような社会でも必ずある比率で『犯罪者』が出現します。警察機構を必要としない国家は存在しません。『科学知識を悪用するな』と説いてみても、不届き者が出現しないという保証もありません。『科学知識』を利用するには、能力や資力が必要で、悪人の出現確率は、一般犯罪に比べると格段に低いと言えますが、それでもゼロではありません。テロリストが核兵器を盗むなどという可能性も排除できません。

人間が生物学的に『個性』をもつ存在であることが、このような犯罪者を生む宿命の原因です。善人が多い国家は作れますが、善人だけの国家を望むことは不可能です。

アメリカのクリントン大統領の科学政策諮問委員会の議長であった『ビル・ジョイ』は、個人的に『人類は、ロボット工学、遺伝子工学、ナノ工学の研究は控えるべきだ』と主張して脚光を浴びました。たとえ悪人が出現しなくとも、これらの成果が、予測不能の大惨事を人類へもたらす可能性を危惧すべきであるという考えに基づいています。

『ビル・ジョイ(天才的なソフトウェア技術者)』は、『スコット・マクネリ(経営者)』『アンディ・ベクトルシャイム(天才的なハードウェア技術者)』等と一緒に、米国で『サンマイクロシステムズ』というコンピュータ会社(現在はオラクルに買収されて存在しない)を創立した創業者の一人です。梅爺は、仕事の現役の頃『サンマイクロシステムズ』とアライアンスを担当する役目を負っていましたので、これら創業者とも付き合いがありました。

ある時、社長の『スコット・マクネリ』に、『ビル・ジョイがある領域の研究開発は控えるべきだと主張していることをどう思うか』と尋ねましたら、ニヤッと笑って『あいつは、悲観論者だ』と答えたことを覚えています。

『科学』は人類を幸せに導くと同時に、破滅へ追いやる危険性も秘めていることは確かですから、それを承知でどう対応するかを決断しなければなりません。『ビル・ジョイ』と『スコット・マクネリ』のどちらが正しいかなどという議論は、あまり意味がありません。

『科学』は、好奇心という人間の本能が背景にありますから、一部の研究開発を抑制しようとしても、『禁酒法』同様に結局遵守されないであろうと、梅爺は予測しています。

悪用されないように、人類がどのような監視体制を創り上げるかがポイントになると考えています。多くの人が、『科学』の詳細を知ることは難しくても、その『本質』を理解することは可能です。教育や啓蒙活動が重要であることは論を俟(ま)ちません。特に、社会のリーダー役を担う人達には、この能力が求められます。

『情報』『核エネルギー』『遺伝子』『ロボット』『ナノ工学』などが、特に『危険』を秘めていることは、『ビル・ジョイ』が指摘するまでもなく、梅爺でも理解できます。

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