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2013年2月15日 (金)

北一輝と大川周明の『昭和維新』(1)

NHK地上波教育チャンネルで、放映された『日本人は何を考えてきたのか』シリーズの第10回『昭和維新の指導者たち』を録画して観ました。 

『北一輝』と『大川周明』の思想を紹介し、彼らが目指した『昭和維新』がどのような運命をたどったかを解説する内容で、大正から昭和へかけての動乱の日本史を必ずしも詳しくない理解できていない梅爺には、大変参考になりました。 

幼い時に『戦争』を体験した梅爺のような人間でさえ、昭和初期の混乱は理解できていないわけですから、現在の若い日本人にとって『昭和維新』などは、全く念頭にないことなのでしょう。しかし、『日本』や『日本人』が歴史上体験した最も過酷な体験である『戦争』に、何故突入していったのかを知ることは、現在の日本人にとっても意義があると梅爺は思います。

結果から観れば、悲惨な戦争に突入し、沢山な命が失われ、国土が灰塵(かいじん)に帰した『戦争』行為の判断は、『間違っていた』ということは容易ですが、全ての責任を、『思い上がった軍隊』や『無能な政治家』のせいにして、『無辜(むこ)の国民が犠牲になった』という説明で済ますほど、背景は単純ではないと思っています。

現在の日本の困窮を、同じように『思い上がった財界』『無能な政治家』のせいにして、『無辜の国民が犠牲になっている』という説明で片付けようとする人たちが多いことに梅爺は違和感を覚えています。『昭和維新』を企てようとした人達が、何を考えていたのかを知ることは、現在や将来の日本のために無意味なことではありません。

自然界を構成する『物質世界』は、『自然の摂理(形式的な数学で表現できる法則など)』によって、『動的平衡』を求めてたえず変容を続けています。

人間社会も、政治や経済の分野で、同じように『動的平衡』をもとめて、変容しているように見えますが、人間社会の『動的平衡』は、『物質世界』の『動的平衡』と決定的な違いがあります。

それは、人間社会の『動的平衡』の要因に、人間の『精神世界』が創り出す、『意図』や『考え方』が強く作用しているということです。そしてその『意図』や『考え方』は、一部の人間やリーダーだけが決めているものであるとは、云い切れない側面があります。確かに一部の人間やリーダーの影響は、表面的には無視できない要素ですが、人間社会の行動様式は、それほど単純ではありません。

人間社会は、個々に価値観や個性が異なった『精神世界』を保有する人達で構成されています。このことが人間社会の行動様式を予測することを、『物質世界』の変容を予測する以上に難しくしています。『宇宙』の解明より、人間社会の解明が難しいのはこのためです。

梅爺は、この番組を観るまでは、恥ずかしいことに、『北一輝』や『大川周明』は『極右思想の親玉』であると思い込んでいました。『北一輝』の思想に心酔した若者が『一人一殺』などというテロ行為を行ったというような話を学校の歴史の時間に習ったことによるのでしょう。

番組を観て『北一輝』や『大川周明』を褒め称える気持ちにはなりませんでしたが、時代の中で苦悩し、自説を主張した一人の人間として、再評価に値すると感じました。

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