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2012年10月 5日 (金)

Prosperity tries the fortunate, adversity the great.

英語の諺『Prosperity tries the fortunate, adversity the great.』の話です。

一つの文章の中で、同じ単語を繰り返すと冗長になるので、避けようとするのは日本語も英語も同じです。したがって、上記の表現は『Prosperity tries the fortunate, (while) adversity (tries) the great.』の省略形です。

形容詞に定冠詞(the)を付けると、『○○な人(モノ)』という意味になりますので『the fortunate』は『幸運な人』、『the great』は『偉大な人』ということになります。

直訳すると『繁栄は幸運者の真価を問い、逆境は偉大な人物の真価を問う』ということになります。しかしこれでは、何を言っているのかがいまひとつはっきりしません。自然な日本語に意訳をすれば『何もかもうまくいっている時は人物の器量は見えてこないが、うまくいかない状況では誰が真の人物かが見えてくる』ということになります。

経済バブルの時には、誰もが金持ちになったような気になりましたが、バブルがはじけた途端、梅爺のような凡人は資産を減らす羽目になりました。しかし、厳しい経済環境を逆手にとって、金儲けする知恵者はいますので、この諺はそういうことをいっているのであろうと理解しました。

凡人は、ことが順調に推移している、健康に過ごしているという状況では、それが自分の能力や努力によるものか、単なる『幸運』によるものかを深く考えたりはしません。むしろ、『順境』を『当たり前な環境』と受け止め、感謝の心を失うか、時には『自分の能力』で実現できていると勘違いして傲岸(ごうがん)になったりします。

人間の脳は『順境』を『安泰』と感じ、幸せな気持ちになりますが、『逆境』は『安泰』を脅かすものですから、『不安』『恐怖』というストレスとして受け止めます。そして本能的に『安泰』を脅かす要因を排除したり緩和したりしようとします。身体の免疫機能や怪我を自然治癒する能力もそれの一部です。ストレスを自分の知恵や努力で跳ね返した時に、人間は大きな『満足感』を得ます。

ストレスへの対応能力には、大きな個人差があり、ストレスに負けて一層みじめになる人と、ストレスを跳ね返して一層強靭になる人とに分かれます。この能力は天性のものなのか、生後の努力で強化できるものなのかは梅爺はわかりませんが、なんとなく『生後の努力』も関与しているような気がします。

『不自由を常と思えば不足なし』と戒めた徳川家康は、『順境』を当たり前なものとして受け止めるなといっているわけですから、並みの器量の人物ではないことが分かります。

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