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2012年10月 3日 (水)

ビル・ゲイツの慈善事業(5)

『ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団』が取り組む分野の一つが『グローバル・ヘルス・プロジェクト』で、『マラリア』や『ポリオ』などの撲滅を目指しています。 

人類の歴史は、『病魔との戦いの歴史』でもあります。未開地の原住民も、その土地の『薬草』などを経験則で見つけていますから、対処療法をもっているとは言えますが、効果の範囲は限定的ですから、手に負えない場合はシャーマンによる『病魔払い』などの儀式に頼ることになります。 

現在の日本は、さすがに病気に関しては『加持祈祷(かじきとう)』に本気で頼ろうとする人は少なくなりましたが、少し前までは、国家にとっても、庶民にとっても、全ての『安全祈願』の儀式は重要なものでした。天災、飢饉、病気の蔓延(まんえん)、国難(蒙古来襲など)など、全て最後の頼みは『祈祷』でした。形式的な『安全祈願』の儀式は、今でも日本社会に根付いていますし、私たちの心に中に『最後の最後は神仏頼み』の気持ちがないわけではありません。『安泰を希求する本能』に、最も効果的に作用するのが『神仏』という概念であるからなのでしょう。 

古代エジプトには『外科手術』が既にあったことは分かっていますが、その後の『東洋医学』『イスラーム医学』などは、経験や試行錯誤の積み重ねによる『対処療法』でした。つまり、『何故効用があるのかは分からないけれども、とにかく効く』というレベルで留まっていました。それに対して、『西洋医学』は、『人体のしくみ』などの『科学的な解明』に基づいた検証が重視され、『病気の真の理由は何か、何故薬や処置が有効なのか』を明確にしようとする努力がなされました。ご承知のように、現在は『西洋医学の手法で、東洋医学やイスラーム医学を見直す努力』がなされています。『漢方薬は確かに効くけれども副作用が心配』などという懸念は段々なくなっていくのでしょう。

『HIV(ヒト免疫不全ウィルス:AIDSを発症させる)』『新型インフルエンザ・ウィルス』など突然変異したウィルスが、現在でも人類の脅威であり続けています。勿論、ウィルス以外でも、病原菌や病原原虫(マラリアなど)など、昔から存在するものも完全に根絶できているとは言えません。人類を含む、全ての生物が、『自然の摂理』の支配下で、生き残りを求めた『進化』を続けている以上、新しく進化したウィルス、病原菌、病原原虫(単細胞生物)と遭遇する宿命から私たちは逃れられません。結果として人類には不都合なものとして、出現しますが、『人類を懲らしめてやろう』などいう『悪意』が『自然の摂理』にあるわけではありません。『自然の摂理』のもとでは、人類だけが特別の生物ではありません。

『スーパー・プレゼンテーション』の番組の中で、ビル・ゲイツは、特に『マラリア』について説明しています。『マラリア』は、蚊の唾液の中に生息する病原原虫(単細胞生物)が、人体の血液に送り込まれて発症する病気で、昔は日本やヨーロッパでも発生していたようですが、現在では地球の、熱帯、亜熱帯地方に集中しています。『ワクチンの投与』『殺虫剤の散布』『蚊帳をつる』などの手段を尽くしても、年間3~5億人が『マラリア』にかかり、100万人が死亡していると言われています。これは大災害や戦争以上の被害規模です。

地球上の比較的貧しい地域と、『マラリア』の被害地域が重なっていることで、なかなか顕著な成果につながっていませんが、乳幼児の死亡率などは徐々に改善されています。勿論、人類も『マラリア』に強い体質へ進化することもありますが、病原原虫も負けじと進化するために、話は簡単ではないと、ビル・ゲイツは語っていました。

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