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2012年10月 4日 (木)

ビル・ゲイツの慈善事業(6)

ビル・ゲイツは、『貧困国のマラリア撲滅』の後に『アメリカの教育改革』の必要性を訴えました。 

日本とアメリカを単純に比較することはできませんが、大胆に云ってしまえば『アメリカの素晴らしいところは日本よりずっと素晴らしく、ひどい所は日本よりずっとひどい』ということになると感じています。相対的にみれば、日本は格差が少なく、平均レベルは高いと言えるのではないでしょうか。アメリカの大都会は、日本では想像できないほどの『危ない場所』です。日本と同じと勘違いすると、『痛い目に会う』ことになります。 

能力に恵まれた人にとっては、アメリカは大成功を収める可能性があるかわりに、能力に恵まれない人はみじめさを強いられます。日本でも能力の多寡(たか)は、人生に影響しますが、アメリカのような極端なことにはなりません。どちらが人間の社会として健全であるかは、一概に言えませんが、梅爺は日本型の社会の方が『好き』です。 

アメリカの公立学校の教育現場の荒廃程度は、ある程度は想像していましたが、ビル・ゲイツの話を聞くと、『それほどまでにひどいのか』と愕然としてしまいます。公立高校の中退者の率は30%で、白人以外でみると、大学卒業率より、刑務所へ収監される率の方が高いということでした。 

日本では『いじめ』が問題になっていますが、勿論アメリカにも『いじめ』はあります。梅爺は、息子夫婦がアメリカのアトランタへ赴任していた時に訪ね、孫が通う『ジョージア州日本語学校』を参観したことがあります。『日本語学校』は現地の公立学校の校舎を土曜日だけ借りて授業が行われていて、廊下には『いじめは止めよう』『何かあったらすぐに先生に報告しなさい』というようなことを書いたポスターが貼ってありました。このポスターは、現地の公立学校のものですから、『いじめ』がアメリカでも日常的な問題であることがわかります。 

ビル・ゲイツが憂いているのは、『アメリカの学力の低下はアメリカの国力の低下になる』ということですから、いかにも起業家らしい発想です。梅爺がシリコンバレーに出張していた頃、IT企業の優秀なエンジニアは『IC(インド人と中国人)』で占められているといわれていましたから、ビル・ゲイツの憂いも分からないではありません。

貧困層の子弟を対象にした『KIPP』という新しい教育の試みを紹介していました。『有能な先生による楽しい教育』が目的で、このシステムでは96%が大学へ進学するということでした。 

教育の質は、『先生の質』と『教え方の質』で決まるということで、『アホな先生』の『楽しくない授業』は、むしろ害になるということでした。アメリカでは『良い教師』に恵まれたクラスのトップ20%の生徒に、『良い結果』が期待でき、ビル・ゲイツによれば、公立学校で、『良い教師』といえるレベルは25%程度ということですから、大半の学生に『良い結果』は期待できないことになります。 

日本も『有能な先生による楽しい教育(生徒の興味を喚起する教育)』への転換や、そのための社会投資を怠ると、アメリカと同じ道を歩むことになりそうだと感じました。梅爺は優秀な企業人を創り出すだけが教育の目的であるとは思いませんが、教育が国力の元となると言う考え方には賛成です。未来は誰も予測できませんが、未来に対応していくのは、次の世代の子供たちであるからです。

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