« イスラームによる国家統治(1) | トップページ | イスラームによる国家統治(3) »

2012年10月28日 (日)

イスラームによる国家統治(2)

『イスラーム』の出現と急速な布教拡大で、当時の世界を二分していた『東ローマ帝国』と『ペルシャ帝国』のうち、『ペルシャ帝国』は滅亡に追いやられ、帝国の宗教であった『ゾロアスター教』も衰微してしまいます。

その後西ヨーロッパを中心とする『キリスト教』勢力と、『イスラーム』勢力は、世界史の中で『抗争』と『講和』を繰り返し、支配権の及ぶ地域を増やしたり、減らしたりしながら、現在の『世界地図区分』にいたっています。ヨーロッパは『キリスト教』の支配圏と単純に考えると世界史は理解できません。中欧、東欧、それにスペインの南部などを訪れれば、過去にその地が『イスラーム』の支配下であった痕跡を沢山見ることができます。

『イスラーム』と戦った苦い経験を持つ西ヨーロッパの人たちは、『イスラーム』体制が如何に自分たちとは異なったものであるかを、骨身にしみて分かっているために、ブッシュが能天気に『イラクの民主化』を掲げて侵攻しようとしたときに、『反対』しようとしたのではないでしょうか。アメリカは、自分たちの『新文化』は作り上げましたが、『異文化』による深刻な侵攻を経験していません。それゆえ『9.11』の時には国中がパニック状態になりました。ブッシュは、蒙昧(もうまい)な『イスラーム』の人たちが、すばらしい『民主主義』を知れば、たちどころに受け容れるであろうと想像したのでしょう。そうであれば、『イスラーム』のことを知らないブッシュの方が蒙昧です。

『イスラーム』は宗教ではありますが、同時に国家統治の『法』でもあるということを理解することが重要です。しかし啓典『クルアーン』や預言者言語録『ハディース』といえども、全ての社会問題への対応規律が記載されていあるわけではありませんので、個別の問題が発生するごとに『法』はつくられるのですが、それは『偉い神学者(法学者)』が、『神』の意図を忖度(そんたく)して決めることになります。実態は『人間』が作っておきながら、『神の意図』とすりかえるという巧妙な論理です。欠点は、法学者によって異なった『神の意図』が示されることがあることです。時には法学者が提示した『法』の庶民が従わない場合もあります。コーヒーやタバコは最初『法』で禁じられましたが、庶民の間に広がってしまい、『法』はなし崩しになってしまっています。

生活の全てが『イスラーム』によって規制されることの不合理に、『イスラーム』を信仰している人自身が気づいてほしいと思いますが、期待薄のような気がします。『信仰』を捨てることにつながるからです。

|

« イスラームによる国家統治(1) | トップページ | イスラームによる国家統治(3) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« イスラームによる国家統治(1) | トップページ | イスラームによる国家統治(3) »