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2012年10月 1日 (月)

ビル・ゲイツの慈善事業(3)

アメリカでは、世間知らずで、流行にも疎(うとく)く、パソコンやゲーム機にはまりこんでいるような若者は『Nerd』『Geek』と呼ばれ、少々蔑(さげす)まれます。日本でいうなら『ガリ勉野郎』『オタク』といったところでしょうか。

若いころのビル・ゲイツは、身なりには無頓着で、髪の毛はボサボサでフケが目立つというような『Nerd』の典型でした。Tシャツ、ジーパン、スニーカーで大概は通し、好物はファスト・フードのハンバーガーとコーラと言われていました。初期のマイクロソフトの社内では、仕事中に誰もが自由に、無料でコーラを飲み、ポプコーンが食べられるように配慮されていたと伝えられています。車の運転は『スピード狂』で、何度も違反チケットを切られていることでも有名でした。彼がもっとも揶揄の対象にされたのは、『ケチ』であるという話で、色々なジョークが面白可笑しく語られました。一番有名なのは、スーパー・マーケットのレジに行列ができ、滞っているので、どうしたのだろうかと見たら、ビル・ゲイツが『クーポン券』を取りだすのに四苦八苦していた、というジョークです。

マイクロ・ソフトがかなり成功をおさめた後も、ビル・ゲイツは日本へ来る時には飛行機の『エコノミークラス』を利用しており、他の役員が『ビジネスクラス』を利用することに批判的であったと言われていますので、『ケチ』というより、『合理的な価値観』の持ち主と云う表現が正しいのかもしれません。

同世代のライバル経営者である『スティーブ・ジョブス(アップル)』や『スコット・マクネリー(サンマイクロシステム)』が『プレゼンテーションの達人』であったのに対して、ビル・ゲイツは口下手で、聴衆を相手にスピーチするのは得意ではありませんでした。

しかし、『スーパー・プレゼンテーション』という番組に登場したビル・ゲイツは、落ち着いた話しぶりで、昔の口下手の印象はありませんでした。永年場数を踏んで、スピーチをする機会が多かったために、さすがに腕があがったのでしょう。中年のおじさんになって、『Nerd』の面影が失せたのは、年の効か、奥さんの気配りのせいかもしれません。

ビル・ゲイツはマイクロソフト社の会長ではありますが、実務は経営陣に任せ、現在は奥さんと一緒に、慈善事業に専心しています。2000年に、1.26億ドルの資産を投資して『ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団』を立ち上げ、その後友人の資産家ウォーレン・バフェットが2006年に、300億ドル相当の持ち株をこの財団に寄付したため、現在では350億ドルを超す資金を有する大規模な慈善団体になっています。ビル・ゲイツ、ビルの父親それに奥さん(メリンダ・ゲイツ)の3人が共同議長で運営されています。奥さんは賢い女性として米国では好感をもたれています。

この財団は『国際開発プログラム(貧困層の救済)』『グローバル・ヘルス・プログラム(マラリヤ、ポリオなどの撲滅)』『米国プログラム(劣悪な教育環境の改善)』を3本柱に活動しています。

『スーパー・プレゼンテーション』では、『蚊が媒介するマラリヤ撲滅』と『米国の劣悪な教育環境の改善』が主要な内容でした。米国の教育現場の荒廃はある程度予想していましたが、実態を数字で示されると、『そりゃーひどい』と云いたくなるものでした。

日本の教育現場の課題を合わせて考えさせられました。

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