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2011年12月29日 (木)

先史人侮りがたし(3)

アフリカを出た現生人類の祖先は、『原則、陸伝いで新しい土地へ進出していった。近い島や、狭い海峡は丸太舟や簡易筏(いかだ)で渡ったことはあっても、大洋は渡れなかった』というのが、従来の人類考古学の推測の根拠になっていました。この前提に立つと、アフリカから最も遠い大陸は南米大陸で、アフリカ、中東、アジア、シベリア、北米、中米を経て南米に到達した行程は、『大移動(The Great Journey)』と称されていました。

しかし、今回アフリカ西岸から、大西洋を横断して、南米東岸へ直接到達した可能性が浮上し、『なるほど』と思うと同時に、『本当かなぁ』と疑う気持ちも残ります。15世紀のコロンブスやマゼランの航海が、いかに過酷なものであったかを私たちは知っていますので、数万年前の現生人類が、本当に大洋を渡る知恵や、能力があったのだろうかと考えてしまいます。

多分、何らかの理由で、アフリカを脱出せざるをえなくなった人たちが、おびただしい数の挑戦を繰り返し、ほとんどは海の犠牲になったものの、一握りの人たちが幸運にも南米へたどり着いた、ということなのでしょう。人類の歴史は、『幸運に生き残った人たち』の歴史で、天災、疫病、戦争、事故の犠牲になり亡くなった『不運な人たち』が影に必ず存在します。『種』が進化するために、『種』の一部は犠牲になるという、過酷なルールから『人類』も逃れることができません。現在私たちが『毒キノコ』や『フグの肝』を食べないのは、それを食べて亡くなった多くの不運な人たちの失敗例を教訓として受け継いでいるからです。そう考えれば、『生きている』ということ自体が『幸運』であるということになります。失敗や犠牲を繰り返して得た知恵を利用するという、人間の能力が発揮されなければ、アフリカから大西洋を横断して南米へ達することは到底実現できなかったと考えられます。

2万2千年前に、現生人類の『ネグロイド』が、南米に存在していたと言う事実は、当時の人類は、優れた能力で、あるレベルの知恵や技術を駆使していたことを示しています。『言語レベル』も、私たちが想像する以上に高いものであったのではないでしょうか。そうでなければ、『知恵』を子孫へ伝承することは難しいからです。

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