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2011年12月30日 (金)

先史人侮りがたし(4)

250pxstonehenge_closeup イングランドに残る巨石遺跡『ストーン・ヘンジ』は、エジプトのギザのミラミッド(BC2800年頃の建造と推定されている)と同じ頃に創られたと考えられています。エジプトには当時文字文化(ヒエログリフ)が存在していたと推定されていますので、ギザのピラミッドは、厳密には『先史時代の遺跡』とは言えないのかもしれませんが、『ストーン・ヘンジ』を残した人たちが文字を使用していた形跡は残されていませんので、『ストーン・ヘンジ』は『先史時代の遺跡』に該当します。

ギザのピラミッドでさえも、建造目的が解明されているわけではありませんので、『ストーン・ヘンジ』は、文字の手掛かりがないだけ、更に建造目的が謎のままになっています。太陽の運行を利用した『歴(こよみ)』ではないかとか、宗教儀式が行われた場所であるとか、色々な説がありますが、特定はできていません。

350pxnewgrange_ireland_750px アイルランドには、『ストーン・ヘンジ』より更に200~400年程度古いと考えられる『ニューグレンジ』が残されていて、これも『先史時代の遺跡』に該当します。ギザのピラミッド以前の遺跡ということになります。『ニューグレンジ』は巨石遺跡ではありませんが、石を積み重ねた人口の塚のようなもので、直径は90メートルにもなる大きさです。一年に1回、冬至の日の出の時だけ、太陽光が入口から差し込んで、奥の壁を照らすようにできていることから、『歴(こよみ)』でもあり『信仰の対象』でもあったのではないかと考えられていてます。

現代の建築設計士が、冬至の時だけ朝日が差し込むような建造物を創れといわれれば、さほど難しい話ではありませんが、5000年以上前に、人類はそれを可能にする知恵、知識や技術を保有していたことになりますから、『先史時代は野蛮な時代』と侮ることは危険です。天文学、幾何学などの基礎知識がなければ不可能であるからです。

先史人といっても、『ニューグレンジ』を建造した人たちは、人類がアフリカから大西洋を渡って南米大陸に到達した当時の先史人に比べれば、更に2万年くらい後の人たちですから、一層『賢く』なっていたのは当然の話です。

文字を持たない時代の人たちは、現代人に比べると格段に少ない情報をベースに理性で『推論』して行動していましたので、現代人には『馬鹿げていること』『迷信』と分かることを、真剣に信じていたのは、当然のことです。保有している情報量が乏しいだけで、脳の推論機能が現代人にくらべて劣っているとは言えません。『情感』を処理する脳の能力も現代人と何ら変わらないと考えられます。つまり、人間の基本的な資質としては、『ニューグレンジ』をつくった人たちと、私たちは『変わらない』のではないでしょうか。

『先史時代は野蛮な時代』という先入観念は、歴史や人間を見誤ることになりかねません。

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