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2011年4月30日 (土)

福岡伸一著『動的平衡』(4)

この本には、ダイエットのメカニズムを説明した章があり、メタボが気になる梅爺は真剣に読みました。人間の一日の基礎代謝エネルギーは約2000キロカロリーで、これ以上の余分な食物の摂取は、『太る(体脂肪を増やす)』原因になると単純に考えてしまいますが、人間の生命維持活動のメカニズムは、非常に複雑で、そのように単純に律することができないことが分かりました。

そもそも、『太る』ということは、脂肪細胞が、血液中のブドウ糖を脂肪に変えて細胞内へ貯めこむことですが、何故そうするかは、人間が進化してきた環境のせいで、人類種が地上に現れてから約700万年の間、ほとんどの時代人間は飢餓に怯えて生きてきたことに由来すると考えられています。まさかの時に備え、余った分は貯金をしておこうという発想と同じです。この仕組みの司令塔は、脳ではなく、膵臓(インシュリンで警告)であることも、生物進化の名残として興味深い話です。メタボは逆に飽食に悩まされているということですが、人間は、飽食が種の存続を脅かす要因であるなどという状況を従来深刻に経験してきていませんので、飽食に対する防御策は、生命維持のメカニズムの中に持ち合わせていません。数十万年後の人間は、太り過ぎを自動的に抑えるメカニズムを進化で獲得しているかもしれません。

一度貯めこんだ脂肪を、運動で消費するという行為は、非常に効率が悪いことが分かっていますので、よほど意志の強い人でない限り、運動を継続することは困難で、運動に頼るダイエットは多くの場合挫折します。勿論、運動にはダイエット以外の効果もありますので、運動が無意味であるということではありません。

人間の身体の中で作り出せない、ビタミン、元素(カルシューム、金属など)、必須アミノ酸などは、外から補給する必要があり、サプリメントの服用が有効と考えがちですが、必要以上の補給は、返って身体に有害ということもあり、逆効果にもなりかねません。通常は、普通の食生活で、これらは十分補えるようにできていると、福岡先生は書いておられます。

同じ量でも、チョビチョビ時間をかけて食べれば太らず、空腹を我慢した後にドカッと食べれば太るという仕組みに人間はできているようです。長期間でみれば、食べる量を減らせば痩せることになりますが、短期間では、むしろ身体を飢餓状態に置くことを避け、偏食を避けて、チョビチョビ食べることの方が太らず、健康を維持できる秘訣になるようです。

タンパク質は体内に貯めこむことができず、しかも、細胞が死と生を繰り返す『動的平衡(生命活動の根源)』の源ですので、人間は食べ続ける必要があります。『You are what you ate(汝は、汝が食したものなり)』とは、よく言ったものです。

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