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2011年3月18日 (金)

知の巨人『ジャレド・ダイヤモンド』(5)

地球上には、現生人類が残した『文明遺跡』が沢山残されていますが、何故その文明が滅んだのかについては、必ずしも明確に分かってはいません。多くは2000年以上前の、古代に属するものですが、ペルーのマチュピチュ遺跡、イースター島遺跡(モアイ像で有名)のように、数百年前に、突然滅んだものもあります。

『盛者必衰』の原則から、私たちは逃れられないとすれば、『現代文明』も『人類』も、いつかは滅びるという暗い予測になります。『あなたは、なんとネガティブな人なのだ』と言われそうですが、梅爺は『長い時間軸』で話をしているだけで、今日明日人類が滅びると言っているわけではありません。『長い時間軸』で観れば、『大氷河期が再び訪れる』『大きな隕石が地球と衝突する』『太陽が燃え尽きる』など致命的なことが起きることは、高い確率で予測できます。

『現状を少しでも長く持続させる努力をする』ことが無意味であるというつもりはありません。『死』は必然と分かっていても、少しでも健康でいたいと個人が願い、努力することと同じことです。

ダイヤモンド博士は、文明の崩壊は、『自然環境の大きな変化』であり、その中には『人類が自ら自然環境を破壊してしまった』事例が多いことを立証していきます。アメリカのニューメキシコ州の砂漠の中に、先住民が残した『アナサジ遺跡』があります。7世紀から600年間くらい続いた文明で、石積み建築で、現代なら6階建ての建物に匹敵する当時としては驚異的な技術を持っていた文明であることが分かっています。13世紀に、突然『アナサジ遺跡』は、見捨てられました。ダイヤモンド博士は、地質の科学的調査などで、『アナサジ遺跡』一帯は、当時樹木が生い茂り、雨水も貯めることができる環境であったことを明らかにします。高度な建築技術が災いして、建築資材として周囲の樹木を伐採し過ぎたために、雨水も利用できない荒れ地に環境が変わり、人々は、この地を放棄さざるをえない状態になったことが文明崩壊の原因と推定しました。森と水が失われたことになります。イースター島の文明崩壊も同じく、樹木伐採が原因と推定しています。

このことは、私達に大きな教訓を残したことになります。私たちは、現代文明を発展させようと、地球上の熱帯雨林を伐採し続けており、このままでは、あと100年で地球上から熱帯雨林が消滅すると言われています。これは、現代文明を崩壊させるために、わざわざ自分で墓穴を掘っていることに他なりません。

地球の自然環境を『変えない』ことが、人類が生き延びる条件であるとすれば、自ら『変える』ことに手を貸すのは、馬鹿げていることは明白です。勿論、人間の能力ではいかんともしがたい自然環境変動の要因はありますが、少なくとも人類が変動を速めることに加担しないような努力をしようという考え方はごく自然で、反論の余地はないように思えます。

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