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2011年3月24日 (木)

梅爺創作落語『カラスは白い』(3)

(八五郎)『ところで、熊さん、大家の爺さんをギャフンと言わせる方法ってのは、いったいどんなもんなんだい』

(熊八)『そうさなぁ、ここはひとつあの爺さんの弱みを突くしかなかろうなぁ』

(八五郎)『へぇー、あの屁理屈爺さんには何か弱みがあるっていのかい』

(熊八)『そりゃー、おめー、誰にだって弱みはあらーな。叩けば埃(ほこり)っていうだろう。あの爺さんの弱みは、つれあいの婆さんに頭が上がらねぇーてことだろう』

(八五郎)『へぇー、弱みは、あのチンクシャの婆さんかい』

(熊八)『あの大家の家は元々婆さんのもので、あの爺さんがうまくチンクシャにとり入って、婿として後継ぎになったのよ。まあ、そんなわけで、爺さんは婆さんに頭が上がらないってわけさ。ここはひとつ爺さんの眼の前で、婆さんに「カラスは黒い」って言わせてしまえばこっちの勝ちだな』

(八五郎)『なるほど。でもそんなうまいお膳立てはできるかい』

(熊八)『そこは、まかしておきなよ。オーイ、ター坊、ちょいとこっちへ来な』

(多吉)『なんだい、おとっつぁん』

(熊八)『おめぇ、わるいがちょっと近所を探してまわって、白い野良猫を一匹捕まえてきてくんないかい』

(多吉)『あいよ。でも三味線(しゃみせん)屋へ革を売るなら、白猫でなくてもいいんじゃないのかい』

(熊八)『いやそーはいかねーんだ。ここんとこはどうしても白猫でねぇーといけねぇーわけがあるんだよ。頼んだよ。それに、おっかー、筆とすずりを用意して、たっぷり墨をすっておいておくれな』

(熊八の女房)『何か思いつくと、いつもうちの亭主はこれなんだから。周りはわけがわからずテンヤワンヤで、いい迷惑だよほんとに』

(熊八)『てやんでぃ。あとは仕上げをご覧(ろ)うじろってんだい。文句があるなら後で言いな』

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