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2010年10月26日 (火)

福岡伸一著『世界は分けてもわからない』(12)

『分子生物学』は、生きている細胞のメカニズムを解明しようとしています。細胞は、外部環境との間で何らかの物質のやりとりを行い、取り込んだ物質をエネルギー源として、または情報源として活用し、自分に与えられている役目を果たします。細胞は、ミクロに観れば、それ自体独立した生命体です。私たち人間は、60兆個の個別生命体が、動的平衡で織りなす『全体』であるとも言えます。まるで一人一人が『小宇宙』です。ガンは生命の秩序を無視して、勝手気ままに増殖する細胞ですが、60兆という細胞の数を考えると、『異常』が発生する確率は低くないことも分かります。60兆個の細胞を全て『正常』に保つことの方が至難の業です。

細胞が、『何の目的で』『どういう条件下で』『何を取り込み』『取り込んだものをどう処理するか』は、解明されていないものが大半です。ガン細胞のメカニズムも、以前に比べれば沢山のことが分かっていますが、全て解明はされていません。解明はされてはいませんが、そのメカニズムはすべて『理』に適っているものであるという前提で、科学者は追及し続けています。解明されていることは、すべて『ある物質を情報媒体として利用する化学・物理反応』として説明がついています。

分子生物学は、やみくもに実験しても効率の良い成果は得られませんから、『仮説』を立てて、それを実験で実証しようとします。といっても、この実験は、ちょっとしたミスも許されない、途方もなく手間暇がかかる大変な作業です。このために、一部の科学者・実験者が『功名心』のために『魔がさして』、巧妙に実験データをねつ造するという事件も起こります。『功名心のために魔がさす』という人間の習性は、『不治の病』であると、この本には書いてあります。

梅爺も日常生活を省みれば、この『不治の病』におかされていることが分かります。不法行為ではないにしても、見栄を張って、自分以上に自分を見せようとすることが多々あるからです。ガンばかりが『不治の病』ではありません。

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