« ホモ・フロレシェンシス(4) | トップページ | ホモ・フロレシェンシス(6) »

2010年4月 7日 (水)

ホモ・フロレシェンシス(5)

『生物進化』は、『種』の中に生じた『突然変異』が、『少数派』から『多数派』へ転ずることで進行します。『突然変異』は、その名が示すように、稀な『偶然』で起きます。まさしく『偶然』で、これ自体には、『目的』や『意図』が含まれているわけではありません。その『種』が棲息する環境が、厳しいものに変化した時に、偶然『突然変異』したものだけがその厳しさに耐えられるものであれば、それまでの『多数派』は死に絶え、『少数派』である『突然変異したもの』だけが生き残り、その遺伝子が継承されて、種の『進化』が起きたことになります。

つまり、『進化』は、偶然の『突然変異』と、その『種』が棲息する環境の『変化』が関係していることが分かります。『突然変異』は、ある確率で起きますが、環境に変化が無ければ、『進化』は必ずしも起きないということになります。『多数派』が、環境に適していれば『少数派』がそれに代わる必然性はないからです。

梅爺は、『進化』は必ず起きるものと、最初は勘違いしていましたが、上記のカラクリが分かれば、シーラカンスが、数億年前の生態を維持している理由は理解できます。つまり、深海の環境が数億年前と変っていないからです。

逆に、『人間』が、極めて短期間(歴史的な意味で)に、ものすごい『進化』を遂げたということは、『人間』が、次々に襲いかかる『環境の変化』に、直面し続けてきたということを意味します。『少数派』が生き残り、『多数派』が死に絶えることを、数え切れないほど体験してきたことになります。私達は、その『勝ち残り少数派』の子孫です。

『ホモ・フロレシェンシス』という本を読んで、更に『進化』には、『島の法則』というのがあることを知りました。外の世界と隔絶された、比較的小さな島では、『種』は、その島の環境に合わせて『進化』するということで、島に食べ物が豊富に無いとすると、哺乳類は、『小型化』するというのが、『島の法則』です。

インドネシアの隔絶された『フロレス島』で、『人間』も哺乳類として『島の法則』に従って『小型化(小人化)』したのではないかという『仮説』がなりたちます。現生人類にもアフリカのピグミーのような『小人』がいますが、『ホモ・フロレシェンシス』は、その骨格などから、現世人種が『小人化』したものではないと、推測されています。

もし、この『仮説』が正しいとすれば、最初にこの島に何らかの方法でたどり着いた『人間』は、『小人』ではなく、その後、隔絶された島で『小人』になっていったと言うことになります。この『小型化(小人化)』という『進化』は、明らかに『種』の生き残りのためですが、そのために『脳容量』も小型化し、『知的活動の進化』という点では、逆に大きな制約を背負い込んだということにもなります。『進化』は、その時点での『動的平衡点』に落ち着くことであり、必ずしも絶対的な尺度で、『よい方向へ変る』ということではないことが分かります。

その意味で、『進化』は、『政治』の世界と似ていることに気づきます。試行錯誤を繰り返し、多くの犠牲者を出しながら、長い目で見ると『まあまあの方向』へ変っていくというのがそっくりです。

|

« ホモ・フロレシェンシス(4) | トップページ | ホモ・フロレシェンシス(6) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ホモ・フロレシェンシス(4) | トップページ | ホモ・フロレシェンシス(6) »