« パウロ・コエーリョの小説『ザーヒル(The Zahir)』(5) | トップページ | ジャック・アタリの『日本の将来』予測(2) »

2010年1月 6日 (水)

ジャック・アタリの『日本の将来』予測(1)

1月3日の読売新聞1面と2面に、フランス人ジャック・アタリ氏の『(日本の)将来は暗くない』というコメント(インタビュー記事)が掲載されていました。ジャック・アタリ氏は、ヨーロッパ連合(EU)の創設に深く関わった人で、『ヨーロッパの知性』と呼ばれている賢人です。

彼の、『ベルリンの壁崩壊の歴史的な意義』に関するコメントについては、前にブログで紹介しました。

http://umejii.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-da63.html

彼は、日本が直面している危険要素(課題)を三つ指摘し、日本はこれを克服できる潜在能力を持っているので、『将来は暗くない』と論じています。三つの危険要素は以下です。

(1)少子化を乗り切る人口政策
(2)明確な技術革新政策
(3)金融システムの質の向上

新年早々、『ヨーロッパの知性』と言われる人に『(日本)の将来は暗くない』と言っていただくことは、ありがたいとは思いますが、『そうか、日本の将来は明るいんだな』とこれを鵜呑みにしないところが、梅爺の悪い癖です。

ジャック・アタリ氏の三つの指摘は、論理的な思考の帰結として、異論はありませんが、あまりにも目先の戦術のような感じを受けます。日本人にとって、本質的に重要なことは、『日本人としての資質を保ちながら、国際的な対応ができる体質へ変って行くこと』ではないでしょうか。勿論、経済不況などの、焦眉(しょうび)の急といえる色々な難問を乗り越えることは重要ですが、目の先の問題を解決すれば、明るい未来が待ち受けているとは言えないように思います。確かに、現在は何もかもが『暗い』感じですが、それでは『明るい』とはどういう状態なのかもハッキリしません。

現在の苦境から脱すれば、後は安心ということはなく、これからも、日本は色々な問題に遭遇し続けると考えるべきではないでしょうか。この教訓を、梅爺は永い会社生活で得ました。『この苦しさを乗り越えれば、安泰が待ち構えている』と思って、頑張り続けましたが、安泰を実感することは最後までありませんでした。つまり『安泰』などは、無いということを知りました。徳川家康の『不自由を常と思えば不足なし』という言葉は、この現実を的確に表現しています。

こう考えれば、その時々の苦境に対応するのは、その時の日本人であるということになりますので、『苦境に対応できる聡明な日本人』を一人でも多く育成しておくことが、日本の将来に最も重要なこととなります。日本という国家は、その時点において日本を構成している日本人が創り出す社会のことで、絶対的なものとして存在しているわけではありません。歴史や伝統も重要な要素ですが、それをどのように受け止めるかは、そのときの日本人が決めることです。歴史や伝統といえども絶対的な存在ではありません。

将来の日本に、どのような『価値観、能力』をもった日本人が必要になるのかを見極め、適切な『教育』を充実することが、どの時代でも最も重要なことなのではないでしょうか。明治維新で、日本はこれを実行しました。しかし、その時必要と考えた『価値観、能力』とは異なったものが、今求められています。それを見極めるのは、ジャック・アタリ氏ではなく、日本人であるべきです。

|

« パウロ・コエーリョの小説『ザーヒル(The Zahir)』(5) | トップページ | ジャック・アタリの『日本の将来』予測(2) »

コメント

購入前にショップにお電話させていただき、商品の情報を丁寧に説明くださって、安心して購入することができました。
届いた商品は説明どおりで、どちらかと申しますと、お聞きしていたより美品です。
ランクは厳しめに付けられているのだと思いました。こんなに満足できるショップは初めてです。
中古のバッグを購入するのは初めてで戸惑いもありましたが、また是非購入させていただきたいと思います。ありがとうございました。

投稿: ロレックス 値段 下がらない | 2021年10月19日 (火) 10時00分

この記事へのコメントは終了しました。

« パウロ・コエーリョの小説『ザーヒル(The Zahir)』(5) | トップページ | ジャック・アタリの『日本の将来』予測(2) »