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2009年3月16日 (月)

ネアンデルタール人ふたたび(2)

『ネアンデルタール人』の『遺伝子構造復元プロジェクト』が進行する中で、現生人類と同じ、『言語を操る能力にかかわる遺伝子』が見付かったことが、大きな議論を呼ぶことになりました。従来、考古学者は、『言語を操る能力』は、現生人類だけが保有する、優れた資質であると予想していましたので、発見された『事実』に戸惑うことになりました。

論理的には、以下の3つの可能性が考えられます。

(A)『交配』で、『ネアンデルタール人』がこの資質を現生人類から獲得した
(B)『交配』で、現生人類がこの資質を『ネアンデルタール人』から獲得した
(C)両者とも、互いに接触する以前からこの資質を保有していた 

現生人類と『ネアンデルタール人』の接触は、ヨーロッパ地方に限定され、接触せずに進化を続けた現生人類もいたとすれば、(B)は除外されます。現在全ての現生人類は『言語を操る能力』を保有しているからです。また、現生人類と遭遇する前から『ネアンデルタール人』はヨーロッパに存在して居た訳ですから(A)も除外されます。したがって、(C)しか残りません。

つまり、現生人類と『ネアンデルタール人』の共通祖先である『ある人類種』から、この資質は受け継がれているという推測になります。これは、更に遠い昔のことに遡りますので、現生人類だけが、『言語を操る能力』を保有していたという予測が覆ることになります。むしろ、『言語を操る能力』をもった『人類種』は他にもいたと考える方が自然です。

『言語を操る能力』のほかに、現生人類のヨーロッパ人に見受けられる『金髪、赤毛』と同じ遺伝子も『ネアンデルタール人』の遺伝子の中に見付かっています。このことは、現生人類と『ネアンデルタール人』の間に『交配』があり、『ネアンデルタール人』の資質は、現生人類のヨーロッパ人に同化して引き継がれていると考えるのが妥当のように思います。確かに、『ネアンデルタール人』は種としては『絶滅』したのでしょうが、資質は現生人類に引き継がれているという見方は、今までになかった新しい『仮説』です。このことは『絶滅』というより、『同化による消滅』という表現が正しいかもしれません。

たった、数ヶ月前に、梅爺は『エデンを離れて』というブログで、『交配はなかったらしい』と書いておきながら、今度は『交配はあったらしい』と主張を変える羽目になりました。

http://umejii.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-b880.html

科学の進歩のめまぐるしい速さによるものですが、『ネアンデルタール人』の遺伝子構造の全てが近い将来解明されたら、また違った意見になるのかもしれません。なんともせわしい世の中に生まれてきてしまったものだと、梅爺は驚いたり、嬉しくなったりしています。

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コメント

実に興味深い話です。遺伝子構造の話は知りませんでしたが、ネアンデタール人が絶滅したとはとても思われませんでしたので、ヨーロッパで交配があったという話は納得がいきます。
なぜ白色人種とその他人種と外形が違うかの説明になります。

ただしこの説を採ると、黒色人種と黄色人種との差の説明のために、黄色人種も何か別の先住民族との交配があったことがないと、うまく外形上の説明がつきません。
そうした事例が出てくると人種間の差の説明がつくのですが・・・

投稿: 次郎 | 2009年3月16日 (月) 03時22分

次郎さん、コメントありがとうございます。
モンゴリアンが、アジアおよびアメリカ大陸に分布しているわけですから、ご推察のように、アジアの先住人種との混血は、十分ありえる話ですね。
またまた、新しい発見があることを期待しましょう。

投稿: 梅爺 | 2009年3月16日 (月) 09時04分

確かアフリカのネグロイド以外のコーカソイドとモンゴロイドにネアンデルタール人の遺伝子が数パーセント入っているのが発見されたはず!

投稿: verde | 2011年2月18日 (金) 16時41分

Verdeさん、コメントとありがとうございます。最近ドイツの研究で、コーカソイドには3~4%程度ネアンデルタール人の遺伝子が混入しているという発表があったことは承知しています。これとは別に、アメリカの研究者が、ネアンデルタール人のDNAを総合調査しているとの話も聞いていますので(トルストイの戦争と平和という小説の原型を、バラバラにちぎられているページから復元するに等しい難事業のようですが)、そのうちもっと明確に、現生人類とネアンデルタール人の関係が明らかになるかもしれません。

投稿: 梅爺 | 2011年2月19日 (土) 09時29分

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