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2008年11月 8日 (土)

エデンを離れて(2)

ミトコンドリアの遺伝子と細胞内のY染色体を手がかりに、現生人類の祖先を科学的な手法で辿っていくと、約17万年前のアフリカに存在したアダムとイヴを突き止めることができる、という50年前には誰も知らなかった『事実』が明るみに出ました。

現在地球上に住む、全ての人類は、オーストラリアのアボリジニ族なども含めて、全て『同じ祖先』を持つことが判明したことになります。猿は、ゴリラ、オランウータン、チンパンジーなど異なった種が、現在でも地球上に棲息していますが、ヒトに限っては、『現生人類だけ』が生き残っているという、興味深い話です。約3万年前までは、ヨーロッパやアジアに、『現生人類以外の先住人類』が棲息していたことは、考古学的に分かっていますので、『複数の異なった人類が共存する期間』を経て、『現生人類』が『種』としては世界を征服したとも言えます。

遺伝子の調査などから、『現生人類』には、他の人類の血が交じり合っている気配がない、ということなので、先住の人類は、自ら滅びたか、現生人類に滅ぼされたのか、どちらかということになります。ヨーロッパの先住人類であるネアンデタールは、『現生人類』に追い詰められて、滅亡したという説もあります。もしそうなら、『現生人類』は、先住人類よりも、何らかの『優れた特性』を持っていたことになります。

『二足歩行』『原始的な言葉』『道具利用(火の利用も含め)』などの基本能力は、先住人類も保有していたことになりますので、『優れた特性』は、『頭の良さ』ではないかと想像できます。つまり、『言葉』や『道具利用』のレベルで勝っていたのではないでしょうか。

『頭の良さ』の実体は、『抽象概念の論理思考能力』や『コミュニケーション能力』のレベルが高いということで、厳しい自然環境から身を守る智恵、獲物を追い詰める智恵、敵を殲滅する智恵などを、グループで共有し、子孫へ語り継ぐ能力であったにちがいありません。肉体的に必ずしも勝っているとは思えない『現生人類』だけが、生き残ったのは、『頭の良さ』のおかげではないかと、推察できます。

一体『頭の良さ』という特性を、どのように『現生人類』は、手に入れたのでしょう。『人類の足跡10万年全史』の著者は、これも永い永い生物の『進化のプロセス』の帰結とみなしています。

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コメント

私がいつも不思議に思うのは、なぜネアンデルタール人が絶滅して、ホモサピエンスだけが残ったかと言うことです。外形を見る限りネアンデルタール人のほうが強そうだし、文化度もほぼ同じように見えます。前に見たドキュメンタリー番組では、「コミュニケーションの能力が低かったからホモサピエンスに駆逐された」と言っていました。
しかし今一つ納得感がないのです。本当は当時にタイムスリップして実情を確認したいくらいです。

投稿: 次郎 | 2008年11月 8日 (土) 09時55分

次郎さん、コメントありがとうございます。
ネアンデタール人の絶滅は、私も得心できているわけではありません。
脳の容量は、現生人類(ホモ・サピエンス)とほぼ同等かむしろ大きいということですが、前頭葉部分が小さい(額が狭い)らしく、抽象概念処理能力で、現生人類に劣っていたのかもしれません。骨相学的に、言語発声能力で劣っていたという説もあります。しかし、顔立ちも、彫が深く、私達の価値感覚では、ヨーロッパ系白人に近く、失礼ながアフリカ系黒人より『利発』そうに見えます。しかも、身体も現生人類より頑強であったと言われています。従って、何らかの、きわどい『紙一重の差』で、現生人類が残り、ネアンデタールが滅亡したのではないかと推測できます。
唯一、想像できるのは、氷河期へ向かうヨーロッパの気候は、彼らには厳しいものであったのではないかということです。
ネアンデタール人と、現生人類の間で、『混血』が、あまり生じなかったというのも、私には、『ほんとうかなぁ』と不思議におもえることです。
素人がガタガタ言ってもしようがありませんので、プロの学者の追及を待つしかありませんね。

投稿: 梅爺 | 2008年11月 8日 (土) 10時44分

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