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2008年6月 6日 (金)

面白さ満載の本(1)

梅爺は、仕事やコーラスの練習で、週に最低2回は、都心に出る機会があり、往復3時間の電車に乗りますので、この時間を利用して、肩のこらないスリラー小説やミステリー小説を、英語版ペーパーバックスで読むことにしています。最近は、アメリカの新鋭作家 Jef Rubenfeld の『The Interpretation of Murder』を楽しみました。タイトルをこのまま訳せば『殺人の解説』ですが、何故か本屋の店頭には、『殺人者は夢をみるか?』という邦訳名の添え書きがありました。

この本は、基本的な推理小説としての出来栄えも良いのですが、その他に『時代背景となっている、20世紀初頭のニューヨークの風俗、できごと』『講演旅行のためアメリカを訪れ、事件に巻き込まれる設定になっている、ヨーロッパの著名なな精神分析学者達(フロイトや弟子のユング達)の言動』『シェークスピアのハムレットの名台詞(To be or not to be, that is the question.)の真意をめぐる論争』など、これでもか、これでもかと興味深い話題がちりばめられているサービス満点の本です。事実(登場人物の一部と時代背景)と虚構をこれほどに融合させるためには、作者の広範な知識を必要としますので、綿密な考証作業が事前に行われていることが分かります。『一粒で2度美味しい』というキャラメルの広告が昔ありましたが、1冊で4度美味しいという徹底振りです。

『夢判断』で有名なフロイトが、主要な人物として登場するために、邦題を『殺人者は夢をみるか?』としたのであろうと想像しました。勿論フロイトを登場させるわけですから、性に絡む願望、嫌悪、嫉妬などが猟奇的な犯罪につながっていくのが、この本の主題で、犯人を追い詰めていく手がかりに『精神分析』が使われますが、犯人の見た夢をを直接分析しているわけではありませんので、邦題の『殺人者は夢をみるか?』は適切でないように思いました。日本で売る時に『殺人の解説』では、あまりにも陳腐で購読者の興味を引かないと考えたのでしょう。アマゾンのホームページで調べてみましたら、講談社文庫から、『殺人者は夢を見るか?』というタイトルで、邦訳本も売られていることを知りました。

梅爺のように、好奇心旺盛で、何にでも、やたらと首をつっこみたくなるような方には、お奨めの一冊です。

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