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2008年6月12日 (木)

日本人の宗教観(1)

5月30日の読売新聞に、『日本人の宗教観』に関するアンケート回答に基づく特集記事があり、梅爺は興味深く読みました。

多くの人が、神社やお寺に詣でたり、お墓参りをしたり、宗教的な年中行事や冠婚葬祭を自然に受け容れていながら、7割の人たちが、『宗教を信じない』と答えているからです。『行動』だけ見れば、日本人は宗教のしきたりを受け容れていながら、『回答結果』が一致していないのは、アンケートが『宗教を信じますか』と直接的に問うていることが問題で、単純に7割の人たちが『宗教を拒否している』と考えるのは間違いのように感じました。『しきたりには従うが、本心で信じているかというと、そうでもない』というのがホンネなのでしょう。

一方、94%の人が『先祖を敬う』と答えているのは、宗教とは関係なく、先祖無しには自分は存在しないと考えているからで、梅爺は、極めて健全な結果と感じました。また、『自然の中に人間の力を超えた何かを感ずることがある』が56%を占めていることも、梅爺もそう感じますので、納得がいきました。

『先祖を敬う』『自然の中に人間の力を超えたものを感ずる』が、必ずしも直接『宗教』と結びついていないところが、現代の日本人の宗教観の特徴かもしれません。勿論、日本人は昔からそうであったわけではなく、平安時代や江戸時代に、同じアンケートで調査をすれば、全く異なった結果になったにちがいありません。生活環境や情報の多寡が、宗教観に大きな影響を与えることが分かります。しかし、『強い願望』や『心の悩み苦しみの大きさ』が宗教を受け容れるベースになるという傾向は、今も昔も変わらないのではないでしょうか。

一見『チャランポラン』に見える日本人の宗教観は、見方を変えれば、現代の日本人は『願望など、持ってみてもどうせ適えられない』と最初からあきらめていたり、『追い詰められるほどの悩み苦しみを感じていない』ともいえます。そういう社会を『嘆かわしい』とみるか、『まあまあ健全』と見るかは、人によって異なるのでしょう。

外国の同様の調査結果との比較材料がありませんので、想像でしかものが言えませんが、一般に先進国では、『宗教離れ』が進行しているのではないかと感じています。ひょっとすると日本は『宗教離れ』に関しては、先進国の中でも先進国かもしれません。宗教的な儀式は生活習慣の中に残しながら、本来の信仰心を失っていく矛盾に、深刻に悩んだりしない日本人は、『感性に乏しい』のか、『いい加減』なのか、それとも『意外に大人なのか』梅爺には判断がつきません。

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