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2008年5月12日 (月)

ベートーベンの『荘厳ミサ』(1)

昨年12月に、『メサイア(ヘンデル)』の演奏のコーラス・メンバーとして、ご夫婦で参加されたUさんが、今度もまたご夫妻でベートーベンの『合唱幻想曲』と『荘厳ミサ』を歌われるというので、梅爺は、5月10日に、池袋の東京芸術劇場の大ホールまででかけました。

Uさんは、梅爺の大学時代の合唱団同期生で、現在もOB男声合唱団で一緒に歌っている仲間です。Uさんご夫妻を、今年の3月に、青梅の観梅にお招きしたこともあってか、今回は、演奏会のチケットを無償で贈呈いただきました。観梅の当日も、今回の演奏会のための練習があるということで、いそいそと夕刻には、青梅から都心へ向かわれました。大曲に次々挑戦されるご夫妻には頭が下がります。

今回のプログラムは『合唱幻想曲』『荘厳ミサ』と、いずれもベートーベンの円熟期の宗教曲2曲でした。指揮は、ヴォルフディーター・マウアー氏で、オーケストラは、オラトリオ・シンフォニカJAPAN。コーラスの参加者は男女合わせて300人を越すという大編成で、さすがの東京芸術劇場大ホールの舞台も、溢れてしまい、一部は舞台上の2階客席までも使うという大規模なものでした。『荘厳ミサ』はさらに、プロのソリスト(歌手)が4人加わりました。

モーツァルトは、人の脳が心地よいと感ずるリズムや旋律を、当意即妙とも思える方法で、苦もなく創り出していく天才ですので、その特徴を『軽妙』だとすれば、ベートーベンは、もっと広範に、例えば『畏怖』『苦悩』『希求』といった、人の深い情念にまで触れる音楽表現を求めた作曲家であると思います。従って、その特徴を『重厚』とか『荘厳』という言葉であらわすのは、最も適切であるように感じます。この違いは、両者の人柄や、世界観、人生観に依存しているのでしょう。

今回の2曲共に、そのベートーベンの世界を如実に表現しているものと感じました。ソリスト(ソプラノ、アルト、テノール、バス)と、後方の混声コーラスとの受け渡し、弦楽器、管楽器、それに深い低音を奏でるパイプオルガンの役割など、『どの情念には、どの表現が適切か』を知り尽くしたベートーベンならではの音楽を堪能しました。

熱唱された、Uさんご夫妻も、演奏後は、心地よい満足感に浸られたことと想像しながら、家路につきました。

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