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2008年2月23日 (土)

福岡伸一氏の本再び(4)

梅爺は、英国で狂牛病が見つかり、世界中が騒然としていた頃に、アイルランドのダブリンへ国際会議出席のために出張したことを思い出しました。ロンドン経由でアイルランドへ入ったのですが、ロンドンでは、牛肉は食べられず、魚介類を専門とするレストランで食事をしました。

アイルランドの空港へ到着すると、物々しい警戒態勢で、『アイルランドでは、まだ狂牛病は発生していません』等と書いた横断幕が張られ、入国の時には、強い消毒液を含ませたマットを靴で踏んで通過するように指示されました。

ところが、アイルランドの首相も同席した晩餐会のメイン料理は、牛肉のステーキで、梅爺は、首相も食べているものを固辞するするわけにもいかず、ここは日本人の度量の大きいところを見せようと、強がってニコニコしながら食べる羽目になりました。

帰国後、会社で、『そのうち、狂牛病が発症して、わけの分からないことを言い出すかもしれない』と、この話をしましたら、『この病気は、潜伏期間がながいのですよ。あなたの歳なら、その時は認知症か狂牛病か判別できませんよ』などと皆にひやかされました。

しかし、『プリオン説はほんとうか?』を読むと、狂牛病(ヒトの場合はヤコブ病)とアルツハイマー症は、同じ脳が犯されるのでも、症状がかなり異なることが分かります。コンピュータで言えば、中央処理装置に異常が発生することですので、深刻さは同じですが、ヤコブ病の場合は、診療や対症の方法もなく、100%死に至るということですので、悲惨です。

福岡伸一氏の『仮説』が正しいとすれば、ヤコブ病は、外部からの感染、しかも食べ物からの感染が原因と言うことになります。ヤコブ病は、従来は、100万人に一人程度の発症率ですが、感染した牛や羊の、特に臓器、脊髄、脳みそなどを食べた場合は、この程度では済まないことになります。

米国が、牛肉の日本への輸出条件を緩和するように、圧力をかけてきていますが、厚生・労働省は、政治的な圧力に屈せず、『疑わしきは、通さず』の信念を貫いていただきたいと思います。そのために、吉野家の牛丼の値段が少々上がっても、梅爺は我慢するつもりです。

電子顕微鏡の出現で、従来光学式顕微鏡では見つからなかった沢山のウィルスの正体が発見されましたが、最新の科学技術を駆使しても、まだ正体がつかめない『病原体』があることを、この本を読んで実感しました。

こんな、細菌やウィルスに囲まれながら、人間は、内部の『防衛機能(免疫、抗体機能)』が働いて、梅爺のような歳まで、なんとか生きてこられたわけですから、感謝するほかありません。

『人間にとって、一番科学的に理解ができていないものは人間』という表現が、正しいことが分かります。

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