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2007年12月22日 (土)

福岡伸一氏の本(5)

『生物と無生物のあいだ』という本は、梅爺には『桁外れに面白い本』でした。しかし、そのことは、この本は『スラスラ読める本』であることを意味しません。少し読み進むごとに、知的好奇心、哲学的な思索、詩情溢れる光景の想起を伴いますから、しばし立ち止まり、自分の脳を整理してからまた先に進むことになります。そういう意味の『面白さ』を望む方には、読書をお薦めしますが、明石家さんまのトークのような、『面白さ』を期待する方には、お薦めできません。

エピローグに書かれている以下の一文を読んでいただければ、『面白さ』の実態を想像いただけるものと思います。

『生命という名の動的な平衡は、それ自体、いずれの瞬間でも危ういまでのバランスをとりつつ、同時に時間軸の上を一方向にたどりながら折りたたまれている。それが動的な平衡の謂(い)である。それは決して逆戻りのできない営みであり、同時に、どの瞬間でもすでに完成された仕組みなのである』

福岡氏は、京都大学卒業後、アメリカのロックフェラー大学やハーバード大学で、研究員としての実績を積まれ、京都大学の助教授を経て、現在は青山学院大学の分子生物学の教授をつとめておられます。

梅爺は、前々から京都大学は偉才の人材を輩出する確率が高いと感じていましたが、福岡氏の原点が、京都大学にあるのかどうかは、わかりません。頭の固い官僚や、日本の社会でのみ偉さを発揮する人材を多く出す、東京の有名な大学に比べ、京都大学は、柔軟で個性豊かな人材を世に送り出しているように感じます。

福岡氏のこの著作は、いずれの外国語に翻訳しても、世界中から受け容れられ、賞賛されるでしょう。ただし、この本の日本語のすばらしいニュアンスを、そのまま伝えることは至難の業であろうと思います。

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コメント

こんにちは。ときどき読ませてもらっています。

インパクトのある福岡先生がゲストに取り上げられているようです。

マル激トーク・オン・ディマンド 第353回(2008年01月05日)
生命について
ゲスト:福岡伸一氏(青山学院大学理工学部教授)
 2008年最初のマル激は、ベストセラー『生物と無生物のあいだ』の著者・福岡伸一氏をゲストに迎え、生物とは何かという視点から、現在の人類のあり方や科学との接し方を考えた。
http://www.videonews.com/

投稿: みつひろ | 2008年1月 6日 (日) 12時52分

みつひろさま。

コメント、情報ありがとうございます。
『マル激』の『マル』は、『特別に、ホンモノの』という意味でしょうか。
面白そうですね。

以上。

投稿: 梅爺 | 2008年1月 6日 (日) 17時01分

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